特性1:最強のネット環境とマシンがいつでも使える

Luiのメリットは、屋外であってもインターネット環境があれば、自宅にあるメインマシン(サーバPC)の環境がそのまま利用できる点にある。

たとえば、カフェで休憩中、自作のMPEG-2動画をMP4に変換して、自分のブログに貼り付ける作業を想像してみよう。モバイルノートの場合、ハイエンドモデルでもエンコードなどのヘビーな処理にはどうしても時間がかかってしまう。休憩時間のうちに何とかエンコードが終了したとしても、カフェの無線LAN環境はアクセスしているユーザーの数が読めないため、アップロードが完了する時間すら予測できない。店が混んでいるときは、途中でエラーが起きてアップロードをやり直すなんて事態もザラに起きる。

ノートタイプのPCリモーターをサーバPCに接続したところ。一見、普通のノートPCのようだが、デスクトップ画面は自宅にあるサーバPCのものなのだ。なお、PCリモーターからもサーバPCのシャットダウンは可能だが、その場合は自宅に帰るまでリモートアクセスできなくなるので要注意

しかし、PCリモーターなら、転送速度がまちまちでも、とりあえずネットに接続さえしていればいい。ネットにつながっている間は自宅にあるメインマシンを操作しているのと同じ状態となるので、家にある高性能な環境を使ってすぐエンコードできるのだ。自宅のネット環境がFTTHなら、上り速度も十分に速いので、アップロードも素早く完了する。Luiの仕組みは、自宅にいる自分の分身に「このファイル、変換して上げたいんだけど」と電話で指示するのに近い。

つまり、サーバPCが高性能なほど、屋外でLuiを使うメリットが増すといえる。VR730/RGなら標準構成でも十分に高性能だが、先ほどのさらに大容量HDDを追加したりメモリを増やす余地がある。そうしてメインマシンを強化すれば、サブのモバイルマシンも同時にスペックアップするのだ。

メインマシンをどれだけ強化しても、PCリモーターの消費電力には一切影響がないのもポイントだ。PCリモーターの駆動時間は、ノートタイプで4.6時間、ポケットタイプで5.4時間ある。増設バッテリーを持ち歩けば、終日屋外で操作するヘビーモバイラーでも不足はないだろう。ちなみに、ノートタイプの重量は約649gで、ポケットタイプは約249gとなる。これだけ軽くて、メインマシン同等の性能が利用できるというわけだ。