最後にソフトウェア面も補足しておこう。ほとんどのユーザーはEee PC購入時あるいは購入後に光学ドライブを導入すると思われる。言うまでもなく今はDVDスーパーマルチドライブあたりが一般的だ。こうした外付けDVDドライブにも多くの場合DVD再生ソフトがバンドルされているが、Eee PC 901-XでもWinDVD 5という再生ソフトをバンドルしている。WinDVD 5はやや古いバージョンのソフトだが、容量と負荷の問題から、実はここにメリットがある。ストレージの少ないEee PCでは、あまり高機能で高負荷なソフトは導入しづらい。そういう意味でバランスの良いバージョンと言えそうだ。

また、オフィススィート「StarSuite」もバンドルされている。多くの場合、企業内ではMS Officeが採用されている。StarOfficeはこれと完全な互換があるわけではないが、しかしある程度の互換性は確保しているので、ドキュメントの参照や簡単な編集はStarOfficeからも可能だ。そのほかSkypeやWindows Liveソフトウェアも付属している。こうしたソフトウェアが当初からバンドルされていることにより、ある程度のことまでは買ってすぐに利用できるよう仕上がっている。

StarSuiteやWinDVD、Windows LiveやSkypeと、Eee PC 901-Xはバンドルソフトも豊富になった

オンラインストレージ「YoStore」。アイコンをクリックして出る「マイアカウントを有効にしたい」からレジストレーションに進む。「Account Activation Code」にEee PCのマニュアルに貼られたコードを入力すれば利用可能だ

一部のマニア向けから脱皮した感のある2代目Eee PC

Eee PC 901-Xは、Eee PC 4G-Xのコンセプトを、より強化したプラットフォームによってさらに高いレベルで実現している。これと同時に、PC初心者の「とっつきにくさ」も大きく解消されている。おそらく、初心者がEee PC 4G-Xを渡されてもいろいろと戸惑ったのではないだろうか。Eee PC 4G-Xを使いこなすにはいろいろとお作法があり、ある程度PCのスキルを必要としたからだ。Eee PC 901-Xでは、豊富なバンドルソフトも加えられ、買ってきてそのままでも使える内容になっている。カスタムスキルが無くても、当面は標準スペックで満足できるという点も大きい。また、Eee PC自体もバリエーション豊かになってきた。Eee PC 4G-X、901-Xに加え、701-SD-Xと900-X、ネットトップとしてEee Box B202も発表されている。

個人的にもちょうど現在、2台のネットブックを所有しているが、そのうちの1台で原稿執筆などの業務を行っている。その実感として、まずパフォーマンスで言えば、インターネットサイト閲覧やメールチェック、テキストベースの処理ではほとんど困ることがない。やはり画面が狭いと思うことはあるが、フォントサイズを極小に指定することでなんとかしのいでいる。限界が見えてくるところが、やや大規模な表計算、画像処理など。画面サイズでの不満に加え処理能力での不満も出てくるのがこのあたりだ。ヘビーユーザーからは「2台目のPC」などと評価されるのはまさにここだ。逆に最初の1台目として購入してしまったとしても、そう悪くは感じないだろう。そうしたユーザーがスペックに限界を感じた時、それは自分のPCの使い方がはっきりした時とも言えるだろう。そして限界を超えるためにより高性能なノートブックを求めるというステップアップはあり得るのではないだろうか。