キーボード配列はとくに変更は無く、やや特殊配列ながらも基本的な機能は一通り備えたキーボードだ。幅が狭いところはEee PC 4G-X/901-Xの本体サイズでは致し方ないところ。成人男性の視点からすれば、ワンサイズ大きければと思うが、これが手の小さな女性や子供だったらまた感覚に違いがあるかもしれない。なおタッチパッドは大型化しており、ボタンも左右分離となっており、こちらの操作感は大きく向上している。

長方形のスペースにぎっちり詰まったキーボード。基本的にEee PC 4G-Xと変わらないが、右側のキーは幅も詰められ、左側のキーもESCと半角/全角の位置などで変則的だ

上部液晶フレームにWebカメラを装備。30万画素から130万画素へと画素数が大きくアップし、ウェブチャットがより綺麗な映像で楽しめる

液晶ディスプレイはどうだろう。画面サイズでは、Eee PC 4G-Xが7型ワイドだったのに対し、Eee PC 901-Xは8.9型ワイドとひとまわり大きくなった。解像度ではEee PC 4G-Xが800×480ドットに対し、Eee PC 901-Xは1024×600ドット。画面の情報量にして1.6倍に増えている。ここが操作性には大きく貢献しており、まず横幅が1024ドットあるためにWebサイトの標準的なレイアウトを崩さず閲覧することが可能となった。そして縦が600ドットとなった点は、アプリケーションのインストールなどで現れるダイアログの多くを画面からはみ出さずに表示できるようになっている。これだけでEee PC 4G-Xで感じていた多くのストレスが解消されたと感じることができる。

Eee PC 901-X(左)とEee PC 4G-X(右)。ボディカラーが黒でよくわからないかもしれないが、液晶の大型化がまず目に入る

本体底面にはメモリ等の拡張スペースがある。蓋を止めるネジは2か所。中にはDDR2-SODIMMスロットが1基、無線LAN用のMini-PCIeカードスロットが1基、そしてDドライブ用のSSDが1基ある。ほか内部にはさらに大きなスペースもあり、初期ロットのみここにZIFソケットを備え、1.8インチHDDや1.8インチSSDの搭載が可能だったが、第2ロット以降はこれが省略されてしまい拡張できなくなっている。

底面には3つの拡張スペース。一番下がメモリ、右が無線LAN Mini-PCIe、左はDドライブ用SSD

ここで少し拡張に関して説明しておこう。まずはメモリ。メモリは標準で1GBの容量のものを搭載している。スロットは1基であるため最大で2GBとなるが、増設にはいろいろと問題がある。例えばサスペンドに入る際、メインメモリの内容はHDD(Eee PCの場合はSSD)へと一時的に退避させる。しかしEee PCのCドライブは4GBと容量が少なく、退避するスペースが確保できないようなことも生じる。2GBまで拡張した場合、過去のEee PCに関するカスタムテクニックを参考に、Cドライブの空き容量を増やすかあるいはRAMディスクを作成するなどしてメインメモリを抑制する必要があるところに注意しよう。

左がSSD、右が標準搭載されたいたAdataのDDR2-SODIMM(1GB)。CL3で533MHz駆動だった

次は無線LANカード。Eee PC 901-Xは、AzureWaveの802.11b/g/n無線LAN Mini-PCIeカードを搭載している。11nに対応しているもののきょう体サイズの制限からかアンテナは2本。データ転送速度は理論値で100Mbps程度である。

標準搭載されていたAzureWaveの無線LAN Mini-PCIeカード。Mini-PCIeカードとしては一般的なサイズ

最後にDドライブのSSD。筆者は最初これもMini-PCIeと同じインタフェースと思っていた。しかし実際のところ端子部のエッジ長は同じだがカードは幅も長さも異なる。なお、IntelのサイトにはこのDドライブのデザインとよく似たSSD製品が掲載されていが、Eee PCとの互換があるか不明。こちらはPATA接続でmini-cardと呼ぶらしい。

DドライブとなるSSD。右のチップはコントローラ。左はNANDフラッシュだが、4チップ搭載可能なパターンに2チップのみ実装されている

こちらは裏面。表面同様、4つのパターンに2チップのみ実装