家庭内PCの自動バックアップとセキュリティ管理

ネットワークに参加しているクライアントPCのHDDを、OS領域を含めて丸ごとバックアップすることが可能で、デフォルトでは毎日0時から6時の間にバックアップが実行されるように設定されている。完全なバックアップは初回のみ行われ、2回目以降は変更されたファイルのみコピーされる方式となっているので、バックアップにかかる時間やサーバーのディスク容量を最小限にできる。バックアップ履歴を開くと、通常のフォルダを開いたのと同様の型式でバックアップファイルの一覧が表示されるので、誤って削除してしまったファイルの復元も簡単に行える。

また、Windows XP SP2以降やWindows Vistaは、ウイルス対策ソフトの更新状況やファイアウォールの設定をPCが自ら監視する機能を備えているが、Windows Home Serverでは同様の監視をネットワーク内のクライアントPCに対して常に行っている。子供がPCの設定をあれこれいじっている間にファイアウォールをオフにする操作などを行ってしまった場合に、親のPCにセキュリティ警告を表示するといったことが可能になっている。

クライアントPCの差分バックアップが毎日実行される。リストから、バックアップ時点のフォルダを開くことができる

ファイアウォール等のセキュリティ設定が無効になると、あらかじめ指定したPCに警告が表示される

複数のドライブを1ドライブに統合

家庭内のPCがすべてサーバーにデータを保存するようになると、サーバーPCに必要とされるストレージ容量も膨大になるが、Windows Home Serverで新たに実現された「ドライブエクステンダー」機能を利用すると、追加したドライブをひとつのストレージ領域として利用することができる。シリアルATA、USB、IEEE1394などの接続インタフェースは問わないので、家庭内のそれぞれのPCに接続されている外付けドライブや、余っているドライブがあれば、サーバーに接続してしまえばストレージ容量を増やすことができる。家庭内に複数のドライブが存在すると、目的のファイルがどこに保存されているかを探し出すこと自体も面倒になりがちだが、それらをサーバーに集約することで検索性が向上するというメリットもある。また、外付けドライブに対してWindows Home Server自体のバックアップを自動的に行うことも可能。

種類を問わず、サーバーに接続したHDDをひとつのドライブとして見せることができる

「複製」のチェックボックスをオンにすれば、サーバー自体のバックアップも取れる

外部からのリモートアクセス

Windows Liveサービスとしてhomeserver.comのサブドメインとダイナミックDNSが無償提供され、外部から「***.homeserver.com」にアクセスすることでサーバー内の共有フォルダにアクセスすることができる。写真などのフォルダに対しては自動的にサムネイル付きのWebページが作成されるので、お父さんがサーバーに保存した子供の写真を遠くにいるおじいちゃんがインターネット経由で見るといったことも、ホームページ作成ツールなどを使用せずに行える。また、共有フォルダに対してのファイルのアップロードも可能なので、旅行先で撮影した写真やビデオをすぐに自宅に保存することができる。

サーバーの内容にアクセスするためのWebページが自動的に生成される

また、家庭のPCがリモートデスクトップ機能を備えているWindows XP ProfessionalまたはWindows Vista Business/Ultimateであれば、サーバーを通じて外出先から安全に自宅のデスクトップ画面を利用できる。