解像力とノイズのバーター

さて、GX100からGX200への大きな変更点のひとつは、撮像素子が1001万画素から1210万画素へと、2割以上増えたこと。そのおかげか、解像力は向上した。比較撮影したわけではないが、充分に光のあるシーンなら、より細かな部分まで描写するようだ。

高解像度化に伴い撮像感度も下がっている。標準感度はGX100がISO 80なのに対し、GX200はISO 64となった。それで気になるのがノイズだが、残念ながらGX200のノイズは少ないとはいえない。ノイズが気にならないのはISO 200まで。ISO 400になるとざらつきが見えてくる。L判程度に小さく印刷するならISO 400でも大丈夫だと思うが、大きく使いたいなら避けたほうがいいだろう。ISO 800以上は赤や青の色ノイズが増え、立体感も失われる。非常用と考えたい。

ノイズリダクション機能も搭載しており、これも試してみた。ISO 400あたりではざらつきが減ってスムーズな画像になる。ISO 800では暗部の粒状ノイズが抑えられて締まった黒になる。ただし中間の明るさの赤青ノイズはあまり抑えられないようだ。どちらにしても、エッジがあまりゆるくならない、上手なリダクションだと思う。設定するなら、ISO 200以下なら元々ノイズが少ないので、ISO 400以上に設定するのがよさそうだ。

最低感度はISO 64。ノイズをチェックするため、ISO感度を変更して撮影した。以下は図示した部分をトリミングしたもの。前半はノイズリダクションなし、後半はオンにしている(NR:ON)
F4000(4000×3000) / 15.3mm(72mm相当) / 絞り優先AE(F7.1) / WB:オート / 画像設定:普通 / 測光:マルチ / マクロオン

ISO 64

ISO 100

ISO 200

ISO 400

ISO 800

ISO 1600

ISO 64、NR:ON

ISO 100、NR:ON

ISO 200、NR:ON

ISO 400、NR:ON

ISO 800、NR:ON

ISO 1600、NR:ON

他のコンパクトに目をくれない進化を

GXやGRシリーズは、コンパクトとしては比較的シットリと落ち着いた色づくりがされていた。それはGX200にも受け継がれている。またGX200ではホワイトバランスの色調もきめ細かく調整できるようになった。

GX200の絵づくりで気になったのは、ダイナミックレンジが狭いように感じられたこと。すぐに白飛びするというわけではないが、明るい側がなんとなく白っぽくなったり、明るい側に合わせると暗い側がすぐ見えなくなるような感じなのだ。それと関連してか、緑色が軽く見えることが多かった。

それで思うのは、GXに1200万画素が必要だったのかどうか。GX200のノイズはGX100と同じくらいだろう。画素数が増えてノイズが増えないのは大したものだと思うが、画素数がそのままなら、ノイズはもっと減らせたかもしれない。ダイナミックレンジが狭く感じる件も、もっと変わっていたかもしれない。他のコンパクトカメラは一様に高画素化を行なうが、GX200はせっかく他のコンパクトとはキャラクターの違うカメラなのだから、進化の方向も変えてもいいのではないだろうか。

被写体に合わせた「画像設定:自動レベル」

コントラストが強い「画像設定:硬調」

標準的な色味の「画像設定:普通」

柔らかい色味の「画像設定:軟調」

※以下、057.jpg ~ 062.jpg は横に3枚並べてください。(3枚×2列) ※ただし、画像の大きさは、上の053.jpg ~ 054.jpg と同じにしてください。

画像設定:白黒

画像設定:白黒TE/セピア

画像設定:白黒TE/アカ

画像設定:白黒TE/ミドリ

画像設定:白黒TE/アオ

画像設定:白黒TE/ムラサキ

ホワイトバランスは、オート、屋外、曇天、白熱灯、蛍光灯、手動設定、詳細設定の7種類

新たにホワイトバランスの色調設定がグリーン、マゼンタ、ブルー、アンバーそれぞれの色合いに補正可能となった。補正値はその後のホワイトバランスモードに反映される