ワインとともに、ゆっくりと楽しみたいのが食事。ニュージーランドの料理……といってもすぐに想像できる人は少ないのではないだろうか。海に囲まれたニュージーランドではサーモンやムール貝、クレイフィッシュ(伊勢海老の仲間)など海の幸が豊富に採れるほか、上質なラムやビーフでも知られている。カイコウラはマオリ語でカイ(食べる)コウラ(クレイフィッシュ)が町名の由来になるほどクレイフィッシュが豊富であり、南島第一の都市、クライストチャーチを含むカンタベリー地方はラムが名産であるなど、エリアごとで特産があるので、訪れた町で何が有名なのかを聞きながら味わってみるといいだろう。
(上)マールボロ地方のワイナリー巡りの拠点となる町、ブレナムにあるホテル「ベック・スパ・アンド・リゾート」。ブドウ畑を見下ろす風景が魅力(右)ワイナリー巡りにつかれたら、ホテルに併設のプールでゆったり過ごすのもいい。ジャグジーやトリートメントが受けられるスパも併設 |
都市にはレストランも豊富だが、トレッキングなどで郊外を訪れた場合は、レストランよりもホテルでゆっくり食事をとるほうが落ち着ける。ニュージーランドは外資系のホテルが少なく、家族経営のプチホテルが中心。マールボロ地方のブドウ畑を見下ろすロッジや、カイコウラの木の上に建つツリーハウス、クィーン・シャーロットの入江に面したホテルなど、各地で自然の景観をいかした個性豊かなホテルがたくさんあるので、旅の楽しみのひとつとして気に入るところを選びたい。各地の名産をふんだんに取り入れ、素材をいかして塩・コショウでシンプルに調理したメイン料理や、自家栽培の新鮮な野菜を使った福菜など、オーナー夫妻手づくりのあたたかみが感じられる料理で、ホテルでもニュージーランドのスローライフを堪能することができる。