自然とともに、おいしいものも楽しみたい! という人には、ニュージーランド各地にあるワイナリー巡りはいかがだろうか。国内最大のワインの産地、マールボロ地方では、広い空と雄大な山々に囲まれて、ブドウ畑がどこまでも続く穏やかな田園風景に出会える。一帯に個性豊かなワイナリーが並んでいるので、徒歩や自転車、ツアーバスなどで巡ってもいいだろう。各ワイナリーで、テイスティングや併設レストランでの食事が楽しめるので、国内外からの観光客にも人気のエリアだ。
ニュージーランドでワイン造りがスタートしたのは1980年代。朝晩の寒暖差が激しく、石が多い土壌など、ブドウ栽培に適した気候を持つマールボロ地方に目をつけたヨーロッパ人たちが農園を開き、またたく間に広まったといわれている。現在では、白ワインのソーヴィニヨン・ブランと赤のピノ・ノワールがメインであり、ピノ・ノワールでは1995年ヴィンテージから本場ブルゴーニュを破り、世界大会で最優秀賞を取るという快挙も達成している。わずか20年あまりで、世界的に高い評価を獲得したという事実は、いかにニュージーランドがワイン造りに適しているかを証明している。
また、ニュージーランドのワイナリーは歴史が浅い分、自由な気風が高く、ヨーロッパなどから若いオーナーが夢を求めて進出しているのも特徴だ。日本人で脱サラをして現地でワイナリーを持ち、自身のブランドワインを発売して高い評価を得ている人もいる。夢を求める若いオーナーにとって、この地はワイン造りの新天地といえるだろう。
話によると、製造法も伝統にとらわれず、エコ意識の高い無農薬栽培や、コルクより密閉性が高く安全性にも優れたスクリューキャップを使用するなど、トライ&エラーを繰り返しながら独自の方針を開発しているワイナリーが多い。家族経営のブティックワイナリーが多く、初めて訪れてもフレンドリーにもてなしてくれる。それぞれのワイナリーがこだわりを持ってワイン造りに取り組んでいるので、農園散策や醸造所見学とあわせて、人々とのふれあいもぜひ楽しんでみてほしい。