最後に、消費電力を比較した結果がグラフ15だ。負荷時の消費電力は、PCI Express補助電源の規模の違いでも分かるとおり。6ピン+8ピンのGeForce GTX 280の消費電力量が目立つ。CPUとGPU双方に高負荷がかかるゲームタイトルでは、今回の環境で最高の約350Wを記録した。6ピン2本のRadeon HD 4870とGeForce GTX 260に関しては、今回のテストではピーク値はほぼ同等といったところ。Radeon HD 4870の場合、Radeon HD 4850に対してかなり消費電力が増している感がある。
アイドル時の消費電力に関しては、GeForce GTX 200シリーズがかなり消費電力を抑えており、一方でRadeon HD 4800シリーズはそれほど抑えられていないという意外な結果だ。Radeon HD 4870が頭ひとつぶん高い。Catalyst Control CenterからRadeon HD 4870のアイドル時のクロックを確認すると、GPUクロックは550MHzまで下がっていたのだが、メモリクロックは調整されていない様子。ここが今回の調査で消費電力を抑えきれていない理由かもしれない。ここはもっとダイナミックにクロック調節できるはずで、ドライバの更新待ちといったところだろうか。
まとめ
まずRadeon HD 4800シリーズから。ひとつ前のRadeon HD 3800シリーズの頃と比べ着実なパフォーマンスアップを遂げており、GeForceに対して真っ向勝負できる製品だ。デュアルチップのR700にも大きな期待を抱かせてくれる。一方で、現時点ではやはりGeForce GTX 280の性能はずば抜けており、最速を求めるならば検討に値する製品だ。今回テストした4製品は、それぞれ製品ごとにポイントがつかめ、それぞれにニーズに合ったユーザーがいることと思う。選択肢も多く、グラフィックスカードを買い替えるなら、まさに旬な時期が来ているという印象だ。