6月後半はATI(AMD)、NVIDIAの最新GPUが相次いで発表された。既に入手し試された方も多いと思われるが、今回は、これら新世代GPUのシングルGPU環境における性能、消費電力などをまとめてみたいと思う。
最新4GPUを比較する
比較するのは、Radeon HD 4800シリーズが4870と4850。GeForce GTX 200シリーズが280と260。これに、前世代のGPUとしてRadeon HD 3850、GeForce 9800 GTXを加えた計6枚。全てリファレンス仕様に沿ったものを用意している。
仕様表からそれぞれのポイントを確かめておこう。一見すると、Radeon HD 4800シリーズ、GeForce GTX 200シリーズともに、前世代からシェーダーを増やしメモリ転送速度を引き上げただけという感想だろう。ただし、例えばメモリに関してはATIは新規格のGDDR5をRadeon HD 4870で採用していたり、NVIDIAはメモリの接続バス幅を従来よりも広くとっていたりと、軽く見ただけでも変更点は多い。
ATI製品名 | Radeon HD 4870 | Radeon HD 4850 | Radeon HD 3850 |
---|---|---|---|
製造プロセス | 55nm | 55nm | 55nm |
ダイサイズ | 256mm^2 | 256mm^2 | 190mm^2 |
トランジスタ数 | 965M | 965M | 666M |
GPUコアクロック | 750MHz | 625MHz | 670MHz |
シェーダークロック | 750MHz | 625MHz | 670MHz |
ストリームプロセッサ数 | 800 | 800 | 320 |
メモリ容量 | 512MB | 512MB | 256MB |
メモリタイプ | GDDR5 | GDDR3 | GDDR3 |
メモリクロック(データレート) | 3600MHz | 1986MHz | 1660MHz |
メモリ接続バス幅 | 256bit | 256bit | 256bit |
メモリ帯域幅 | 115.2GB/sec | 63.6GB/sec | 53.1GB/sec |
レンダーバックエンド数 | 16 | 16 | 16 |
テクスチャユニット数 | 40 | 40 | 16 |
消費電力 | 160W | 110W | 95W |
店頭価格 | 35,000円前後 | 20,000円前後 | 15,000円前後 |
製品名 | GeForce GTX 280 | GeForce GTX 260 | GeForce 9800 GTX |
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製造プロセス | 65nm | 65nm | 65nm |
ダイサイズ | 576mm^2 | 576mm^2 | 330mm^2 |
トランジスタ数 | 1.4B | 1.4B | 750M |
GPUコアクロック | 602MHz | 576MHz | 675MHz |
シェーダークロック | 1296MHz | 1242MHz | 1688MHz |
ストリームプロセッサ数 | 240 | 192 | 128 |
メモリ容量 | 1GB | 896MB | 512MB |
メモリタイプ | GDDR3 | GDDR3 | GDDR3 |
メモリクロック(データレート) | 2214MHz | 1998MHz | 2200MHz |
メモリ接続バス幅 | 512bit | 448bit | 256bit |
メモリ帯域幅 | 141.7GB/sec | 111.9GB/sec | 70.4GB/sec |
レンダーバックエンド数 | 32 | 28 | 16 |
テクスチャユニット数 | 80 | 64 | 64 |
消費電力 | 236W | 182W | 156W |
店頭価格 | 60,000円前後 | 40,000円前後 | 30,000円前後 |
ストリームプロセッサ(ユニファイドシェーダー)の数はかなり異なるわけだが、同格に比較できないのは周知の通りだ。さて、セグメントとしてみると、GeForce GTX 280のみ単独でエンスージアスト向け、以下大雑把だがRadeon HD 4870とGeForce GTX 260がエンスージアストの下位モデル、Radeon HD 4850はハイエンド向けと言えるだろう。ちなみに、ATIはエンスージアスト向けにデュアルGPUを搭載した「R700」(コードネーム)も計画している。
内部アーキテクチャに関してさらに知りたい方は西川善司氏の特集記事をご覧いただきたい。各GPUのアーキテクチャ、あるいは設計思想などは、グラフィックスカード選びに役立つだろう。
価格についても触れておこう。NVIDIAは競合の動きを受けてか、GeForce GTX 200シリーズの価格改定を行っており、現在は製品発表時に比べて価格がグッと下がっている。NVIDIAにとっては大変な決断かもしれないが、ユーザーにとってはお買い得感が増しており、エンスージアスト向けGPUを導入するには好機なのかもしれない。そしてATIの場合、もとからかなり値頃感のある価格設定でRadeon HD 4800シリーズを投入している。
ベンチマーク環境
ベンチマークの環境としては、シングルカードでの比較、そしてできるだけ公平なチップセットということでIntel X38チップセットを搭載した「Intel DX38BT」をベースに構築した。CPUはCore 2 Duo E8500(3.16GHz)、メモリにはDDR3-1333のGeIL G32GB1333C9DCを用い総容量4GBとしている。そのほかの仕様は下表で確認して欲しい。
Radeon HD 4850 | Radeon HD 4870 | Radeon HD 3850 | GeForce GTX 260 | GeForce GTX 280 | GeForce 9800 GTX | |
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Graphics | MSI R4850-T2D512 | ASUS EAH4870 / 512M | リファレンス | ZOTAC GeForce GTX 260 | MSI N280GTX-T2D1G-OC | MSI N9800GTX-T2D512 |
GraphicDriver | Catalyst 8.6Sample | Forceware 177.34 | ||||
CPU | Core 2 Duo E8500(3.16GHz) | |||||
Motherboard | Intel DX38BT | |||||
Chipset Intel | X38 Express | |||||
ChipsetDriver | Intel Chipset Software Installation Utility 8.3.1.1010 | |||||
Memory | DDR3-1333(1GBx4/9-9-9-24) GeIL G32GB1333C9DCx2 | |||||
HDD | WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB) | |||||
OS | Windows Vista Ultimete SP1 32bit(E) |