『インクレディブル・ハルク』は細部までていねいに作られ、ファンが喜ぶ小ネタがたくさん仕込まれている。ここでは、知っていれば映画が10倍楽しめる、そんな小ネタをご紹介しよう。

ただ、内容のネタバレも若干含まれるので、知りたくない人は要注意。観たあとに読むのがいいかもしれない。ハルクファンなら、読んだあともう一度観るのがベストかも。

さながらハルク同窓会 - 豪華カメオをチェック

『インクレディブル・ハルク』は、歴代、ハルクというキャラクターに携わってきた多くの人がカメオ出演している。昔からキャラのファンだった人にとっては、さながら懐かしい顔ばかりが並ぶ同窓会だ。

まず最初にコミック原作者のスタン・リー。彼は最近、マーベルの映画すべてににカメオ出演するのを趣味にしている。もはや彼のカメオ出演がなければ、マーベル映画という気がしないほどだ。今回も出番は少ないが、顔が大写しになる場面がある。

TVドラマ版『超人ハルク』からは、変身後のハルク役をつとめたルー・フェグリノが登場。大学の警備員役だが、ブルースと握手し激励する場面がある。また、フェグリノは今回、ハルクの声をあて、変わらぬパワフルぶりをアピールしている。またTV版の主演だったビル・ビクスビーも、劇中で流れているTV番組に登場する形で姿を見せている。

変わったところでは、1967年に初めて放送されたアニメで主演の声をあてていたポール・ソウルズも出演。ベティとブルースの行きつけのダイナーの店主で、2人の良き友人という重要な役を演じている。

お人よしのダイナーの店主、スタンリー(左)。この役名は、もちろん原作者スタン・リーから取った

ハルクのズボン不破伝説

ブルースがハルクに変身する時、他の服は全部破れてしまうが、ズボンだけは絶対に破れない。理屈で考えればおかしい話だが、これはコミック創刊号から連綿と続くハルクの伝統だ。映画はこの矛盾をあえてパロディにしており、ブルースが超特大サイズのズボンを選んで履くシーンが描かれている。

「もっと大きいズボンはないのか?」…そういう問題じゃないとは思うが

謎の組織「シールド」とは?

あらゆる手段を使ってブルースを追いかける米軍だが、さすがに広大なインターネット内の情報を把握するのは無理だ。そこでブルースのチャット仲間を探ろうとする米軍が頼るのが、「シールド」という謎の組織だ。

シールドとは「Strategic Homeland Intervention, Enforcement, and Logistics Division」の略で、早い話が米国の平和維持を目的とした架空の諜報機関である。法や政府を超えた権限を持ち、あらゆる情報に秘密裏に干渉し、恐ろしいほどの情報量のデータベースを保持している。

マーベルコミックスでは、各キャラクターの仲介の役割も果たす中心的組織なのだが、映画では『アイアンマン』が初登場になるので、今は何となくそんなもんかと思っていればOK。その全貌は、おそらく今後の映画で明らかになることだろう。

『インクレディブル・ハルク』は8月1日、有楽町スバル座ほか全国夏休みロードショー

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