ハルクのパワーをめぐって物語は二転三転!

さて、本編のあらすじに戻ります。

「ハルクになりたくないよ~」(こんな軽いノリじゃないけど)と悩むブルースは、インターネットを通じて「ミスターブルー」というハンドルネームを持つ科学者にコンタクトをとり、何とかハルクの力を捨てられないか、と必死です。

というのも、ハルクみたいに超人的なパワーを持った人間がいると、その力を利用しようと考える悪いやつらがいるのもまた必然なわけで、それはブルースも例外ではなく、ハルクの力を軍事利用しようと企む米国軍に常に監視され、狙われているのです。

僕が主人公なら映画開始1分で抹殺されそうな狙われっぷり

一方では好きな女の子とホニャララなこともできず、また一方では米国軍に命を狙われる……確かにこれでは超人パワーがあっても割に合わないですよね、というかそもそも自分で望んで手に入れた力じゃないしね。

しかし、そんなハルクパワーを逆に望んで手に入れたいと考える輩もいるから、人間って面白!(CV:中村●童)

登場人物が出そろった後は、ハルクのパワーをめぐって様々な思惑が入り乱れ、物語はハイスピードで展開していきます。注目すべきは前半の逃亡劇と、中盤終盤のゴツいバトル。バトルシーンはむしろもっとたくさんあってもいいのになあと思いましたけど、闘ってばかりだと安っぽくなりそうだからこれはこれでいいかな。

……あっ、そういえばヒロインのことをすっかり忘れていましたけど、本作ではヒロインとしてベティ・ロス(リヴ・タイラー)が登場します。彼女はハルク状態になって理性を失ったブルースを唯一止めることができる(かもしれない)重要な人物。見た目もろモンスターなハルクと美女との交流はまさにアメコミ版「美女と野獣」。
「男は顔じゃない!」と声高に叫ぶ男性諸君(僕含む)は必見ですよ!

ベティを演じるのは見るたびに綺麗になっていくリヴ・タイラー

でもこのベティがまた、ブルースを狙う米国軍のロス将軍の娘だったりするから、なんかもう……世の中って世知辛いですよね。

恋人の親父っていうだけでも怖いのにこの強面! しかも軍人ですよ……

ハルクのアクションは、バトル漫画大好きな世代なら絶対に楽しめるはず!

さて、ハルクを見る上での事前情報としてはこんな感じでいいと思うんですけど(長いな!)、肝心の映画の出来はどんなだったのかというと、個人的には前半と後半でけっこう評価が分かれる感じでした。

というのも、ハルクに詳しい人は問題ないんですけど、今回初めてハルク見ます! というビギナーにとっては、今まで述べたような設定、たとえばハルクがどうやって生まれたのかとか、なぜ米軍に追われているのかとか、そもそも唐突に出てくる女(ヒロインのことです)は誰なのよとか、そこらへんの説明がちょっと言葉足らずかなという印象なんですよね。

まあこのへんは見ているうちにわかってくるので問題ないのですが、それにしても最初の方にもうちょっと時間をかけて説明してほしかったかも。

主人公を取り巻く人間関係を早めに理解するべし

とはいえ、中盤以降のバトルシーンはさすがの一言で、特にクライマックスでのド迫力な肉体と肉体のぶつかり合い(こう書くとなんかちょっとアレですが)は久々に熱い闘いを見た! と思いました。

ハリウッドのアクション映画といえば、最後はなぜか銃火器を捨てて主人公と敵との殴り合いになる率80%(僕調べ)なわけですが、ハルクではそれをあの巨躯でやってしまっているのですから、興奮しないわけがありません。

バトル漫画大好きなチビッ子はもちろん、かつてドラゴンボールなんかにワクワクしていた世代の大人にもぜひ見てほしい映画です。

あとドラゴンボールの話題を出したのでついでに言っておくと、ハルクを見て僕が真っ先に思い出したのはブロリーでした。ほら、変身前と後で印象ががらりと変わるところとか、あの筋肉の造形とか……。

アアーーッ…変身しちゃう変身しちゃう

そうそう、ドラゴンボールといえば、バトルでどんなにボロボロになってもズボンの大切な部分だけは絶対に破れないことで有名ですが、ハルクも変身するとTシャツは破れて裸になるのに、なぜかズボンだけはしっかりフィットしてました。どんだけ伸縮性のある素材だよ! ……というツッコミはどうでもいいですね、ハイ。

そんな(どんなだ)熱すぎるバトルヒーロー映画「インクレディブル・ハルク」は、8月1日公開ですよ!

障害だらけの恋の行方や如何に!