――実際に開発に手をつけてみて、いかがでしたか?

「作る上での苦労というのは、いくつかありました。今回、商品化したものは、ボタンがドクロの形をしていて、ベースの部分は危険を匂わせる黄色と黒の縞模様を入れているんですけれども、30年前のアニメに出てくるのは、ただの丸いボタンなんですね」

――そうでしたね。

「それをボヤッキーがおもしろそうに押しているので、おもしろいイメージがあるんですけれども、実際、商品を作る上でアニメを見返してみると、ボタン自体はあまり特徴がなくて、それをそのまま商品化してもみんなのイメージと違うんじゃないかな、と。そこで、いろいろとデザインを考えていく中で、やっぱりドクロじゃないか、ということで、以前のアニメとは違うんですけれども、ドクロの形をしたボタンというのを商品化することにしました」

――この商品を作るにあたって、『ヤッターマン』の制作会社のタツノコプロさんの窓口の方は、どのような印象をもたれていらしたんでしょう?

「おそらく、実際の試作品をご覧になるまでは、どういうものができてくるのか掴みかねていらしたんじゃないでしょうか」

――それじゃ、押すと音の出る試作品をある段階で用意されたわけなんですね。

「そうですね。それを見ていただいた後は、ずっと話が早くなりましたね。ちなみに試作品では、30年前の音声を流用していました」

――人気アニメ作品だけに、商品化にあたっては気を遣われたんでしょうね。

「開発担当の者は、当時のアニメのDVDを全部見返して、ボタンがどこで使われているか、早送りしてボタンのシーンだけを観て、劇中でどう使われて、押した後どうなるか確かめて、その印象を商品に取り入れています」

――最終的に選ばれたセリフは、どのようにしてお決めになりましたか?

「劇中で使われている頻度ももちろん高いですし、お客さまがおもちの印象として、どういうセリフをお聞きになりたいか、というイメージを大切にして、言葉を選んでますね」

――そのセリフは、すでにあったものを使用しているんですか?

「新たに、声優さんにしゃべっていただいたものを使っています」