安価なモデルだが安っぽい感じはしない
E-520はとても素直に手になじむ。コンパクトなボディだが、中身が詰まった密度感があり、それなりに手応えがある。グリップには全周に滑り止めが貼られ、それ以外のボディにも梨地処理が施され、安っぽさは感じない。グリップの大きさも日本人の手にはちょうどいいように思う。
シャッターボタンは少々左右にブレつつ上下するが、わかりやすいフィーリング。ただ、レリーズ時のショックはE-420よりも大きく感じた。E-420はボディの奥のほうで軽く動く感じだったが、E-520はボディ全体にガシャっと響く。もちろんそれでブレたりするわけではないが、E-420とほぼ同じ構成のはずなのに、フィーリングの違いが気になった。手ブレ補正ユニットが何か関係しているのだろうか。
十字ボタンや各種ボタンは小さめだが、タッチが適切で使いやすい。ただし十字ボタン下のUSBポートは少々邪魔だ。露出補正ボタンはE-420よりもダイヤルから距離があり、操作しやすい。さらに設定で、ダイヤルだけで補正することも可能になる。
背面のボタンはE-420よりも3つ多い。多い。手ブレ補正ボタン、AFターゲットボタン、Fnボタンだ。また、十字ボタンにも機能が割り振られていて、ダイレクトに呼び出せるようになっている。個人的には、測光方式やホワイトバランスは頻繁には変更しないが、フォーカスモードやAFターゲットボタンはありがたいと思った。また、Fnボタンには標準で「フェイス&バック」機能(※後述)が割り振られている。E-420では十字ボタンの左がこれを担当しているが、やはり独立していたほうが使いやすいと感じた。総じて、E-520のボディやボタン類は全体にとても完成度が高い。
背面の主な操作系。ライブビューボタンが独立していてわかりやすい。手ブレ補正はスーパーコンパネからは設定できない |
上面の主な操作系。「リモコン/セルフタイマー/連写」ボタンや背面の「Fn」ボタンは他の機能に割り当てられる |
撮影直後の画像確認は撮影の最中
モニターに常用する撮影情報がすべて表示され、そこからダイレクトに設定が変えられる「スーパーコンパネ」をE-520も引き続き装備する。いままで何度もスーパーコンパネについては述べてきたので繰り返さないが、相変わらずとても便利である。
強いてあげるなら、顔認識機能の表示がいつもオンに見えるのが気になった。ライブビュー時、顔認識をオンにすると (^_^) マークが表示されるのだが、スーパーコンパネ上では「(^_^) ON」「(^_^) OFF」となり、どちらも (^_^) マークが見えている。オフの場合は (^_^) を消したほうが識別しやすいように思う。
画像再生について。E-420にはなく、E-520に用意されている機能として「ライトボックス表示」がある。これは2枚の画像を同時に表示する機能。再生中(拡大時でもOK)、AFターゲットボタンを押すと、画面が2分割され、次のコマが並ぶ。十字キーで次々と右側の画像を切り替えられる。Fnボタンで場所や拡大率も変えられ、比較しながら見るのに適している。これがE-420でできないのは、AFターゲットボタンがないためだろう。ちなみにE-420と同様に、「クローズアップコマ送り」再生も可能。拡大再生時にINFOボタンで位置を確認、再度INFOボタンを押すと、拡大率と表示場所を保ったまま次のコマに移動するものだ。
撮影直後の確認画像が表示されるが、標準状態ではここから拡大はできず、いったん再生に切り替えてからでないと操作できない。しかし「カスタムメニュー2」→「撮影確認」を「AUTO」にしておくと、そのまま拡大操作ができる。これは便利、と喜んだのもつかの間、実はこれ、自動で再生モードに切り替わるだけのようだ。たとえば撮影→「OK」と操作すると通常はスーパーコンパネが開くのに、「撮影確認/AUTO」では画像保護になってしまう。これはちょっと使いづらい。スーパーコンパネはものすごく便利なのだから、特等席の「OK」ボタンを常に空けておいてもよいのではないかと思う。
E-520ではシーンモードに「水中ワイド」「水中マクロ」が追加された。これは防水プロテクターを使って水中撮影を行なう場合に使用するモードだ。
ちなみにモードダイヤルの「簡単撮影モード」には「ポートレート」など具体的な5つの撮影シーンが用意されているが、これはすべてシーンモードにも含まれている。どちらを選ぶか迷うところだが、基本的な撮影設定はどちらも同じ。ただしシーンモードでは細かな設定ができなくなる。「OK」ボタンを押すと、スーパーコンパネではなく、シーンの選択が開くためだ。メニューも画質設定など一部を除き、使用できなくなる。
相変わらず便利なスーパーコンパネ。これは通常の情報表示 |
情報表示の状態で「OK」ボタンを押すと機能が選択される。ここでダイヤルを回すと設定が変更される |
さらに「OK」ボタンを押すと選択できる機能の一覧になる |
AFターゲットの選択。これは3点とも使用する自動選択。どれか1点の固定も可能 |
顔認識(顔検出)機能の切り替え。ライブビューなら位相差式でも顔検出は働くが、コントラスト検出のほうが実戦的 |
ファインダー使用時に「Fn」ボタンを押すと、この5つが反転する。これらがすべてオート(顔検出はオン)になっていないと、「フェイス&バック」は使用できない |