――最後に、90年代に入って、俄然注目を集めているスカイフィッシュについてですが……。
「これも、見たっていう人に、お話をうかがいに行ってきました」
――行かれる前の下調べの段階では、どのような感触をお持ちでしたか?
「まるっきり信じてませんでしたね(笑)。生物学的にあり得ないと思って。都市伝説に近いのかなあと思っていたんですけれども、でも行ってみたら、また考えが変わりました(笑)」
――見たという方のお話を聞かれて……。
「お二人の方にお会いしてきました。神戸の六甲山なんですけど。スカイフィッシュの飛行ルートになってるらしいんですよ。そのうちのおひとりは、UFOの研究をしてらっしゃる方で、UFO写真をもう十数年撮られているんです。その方が撮影してらっしゃるときに、偶然写っていたと。関西地区では有名な方なんですけれども、お宅におじゃまして、いろいろ見せていただきました。その方がおっしゃるには、スカイフィッシュっていうのは龍だというんですね。なんか、次元が開いて、次元の向こう側から飛んでくると」
――もはや生物学の域を超えてますね(笑)。
「そう言われてしまうと、証明されてない存在だけにウソだと言うこともできず……。写真にも写っていて、よく東スポとかにも載ってますね。一面に(笑)」
――それで、例によって現地に行って、自分の目で見てみようと……。
「実は、さっきまでの話と矛盾しますけど、私、スカイフィッシュを捕獲しに行ったんですよ。やっぱり捕らえられるものなら、サンプルを一匹捕まえようと。あらかじめバッティングセンターに行って訓練しましてね、プラスチックのバットを持って行って。友達にブーメランを投げてもらって、それを打つ練習をしてから行きましたね」
――そんな『巨人の星』の特訓みたいなことを……(笑)。
「まさしく『巨人の星』の特訓でして、大リーグボール1号というのは、打者のバット目掛けて球が飛んできます。わざとバットに当てて凡打に打ち取る。星飛雄馬が球質が軽いという致命的な欠点を逆用して編み出した。梶原一騎先生の天才的なひらめきです」
――そうでしたね。そしてその魔球は、球をストライクゾーンに誘い込んで打つ、という打法によって打ち砕かれる。
「で、先ほどのUFO研究家の方によると、スカイフィッシュはテレパシーを持ってて、人間の思念をキャッチできるんだそうです。ある日、写真を撮りやすいように"輪をくぐってください"と念じたら、くぐったらしいんですよ」
――そうなんですか(笑)。
「そこで私はそれを応用して、先に輪を付けた釣竿を地面に立てて、"ここを通ってください"と念じて誘い込む。スカイフィッシュが輪を通ったところで、大リーグボール1号を打ち砕く要領でバットで打つと」
――ヘタしたら、死んじゃうじゃないですか(笑)。
「まあ、一匹ぐらいは。サンプルのために」
――どこで、それをやったんですか?
「摩耶山というところの上に行きまして。ロープウェーで行かなきゃいけないようなところなんですけれども。でも、神戸でもうお一方お話をうかがった方によると、実はこれは無謀な試みでして」
――無謀?
「その方は50年ほど前、子どものころにスカイフィッシュに襲われたそうなんですよ。その話が実名入りで神戸新聞に載ってたんで、訪ねて行ったんです。襲われたとき一緒にいた方が、かまいたちのように脇腹を切られたそうです。そのときは群れだったそうで、たまたま持ってた竹竿で叩いたら、2、3匹死んじゃったそうです。それで怖くなって、必死に謝ったと。その方はスカイフィッシュのことを竜神様と呼んで毎日、ご夫婦でお神酒とお米をお供えしていらしゃいます。そうなると、もはや信仰の対象ですね。だからインチキ扱いはしたくないですね。私には見えませんでしたけど」
――なるほど。どうもありがとうございました。