――ここからは、個々のUMAについて具体的にうかがっていきたいのですが、まずUMAと言えばなんといっても、かの有名なイギリスはスコットランドの……。
「ネッシーですね」
――その存在を証明する最も有力な証拠とされた、これまた有名な"外科医の写真"。1934年に発表されたものだそうですが、1994年にイタズラであることが発覚して捏造写真騒動がありましたね。
「非常にがっかりしました。と思いきや、実はネッシーを研究している人たちはあの写真がインチキだって最初から分かってたんで、私はその捏造発覚後にネス湖に行ったんですよ」
――そうだったんですか。ちなみに、先ほどおっしゃったモットーですと、現地の人と仲良くしなきゃいけないわけですよね。
「そのために、アメリカ英語とは違うイギリス英語を学んだりしました。でも、実際に行ってみると、スコットランドって年配の方は古い言葉使ってるんですよ。日本でいうとすごくなまってる方言みたいなもので、さっぱり分からないんです(笑)」
――それで、どうされたんですか?
「結局、筆談になりました。和英の辞書を引いて、紙に書いて」
――お話を戻して、ネス湖にたどり着いたときは、いかがでしたか?
「初めてネス湖の湖面が目前にひらけたときの快感といったら、なかったですね。ネス湖って聖地なんですよ、UMAファンにとって」
――現地では、どのように過ごされましたか?
「昼間はレンタカーでネス湖の周囲を巡って、泊まるところも決めます。バックパッカーといって日本円で1泊500円ぐらいの宿で、一室にベッドが4つ置いてあったりして、知らない者同士がみんなで泊まるみたいな。夜は、そういうところに泊まりましたね」
――そういうスポットを周って、しみじみと、"ああ、ここで目撃されたんだなあ"というのを味わってくるっていう感じですか?
「味わいまくりましたね」
――そのネス湖の湖岸には……。
「アーカート城があります。ネッシー目撃例多発地点ですね。まあ、観光客が多いので、目撃されることも多いということだと思いますけど。その観光客向けのバスツアーもあります。ネッシーの有名目撃地点をお客さんを乗せて巡るという」
――ほかにも、なにかあるんですか?
「ネッシーの展示館もあります。そこではいろいろなものが見られます。ジオラマとか、探すのに使った潜水球とか」
――その中に人が入って、ネス湖に潜ったわけですね。
「そういう、ネッシーに関する、ありとあらゆるものがありますね。ソナーの記録だとか、プレシオサウルスの姿をしたネッシーの絵ハガキやらボードゲームなども」
――ところで、ネッシーの正体についてはこれまで、いろいろな説が唱えられてきましたね。
「一番有名なのが、首長竜。水棲爬虫類のプレシオサウルス。地元でも、モニュメントなどがこの姿になっていますね。ほかにイギリス独特の解釈もあって、頭にキリンのようなツノが2本ついているフィギュアが売られていたりして、未発見の生物なんだと」
――なるほど。
「あとは、チョウザメですね。このあたりは結構チョウザメが生息している地域なので、巨大なチョウザメであるとか。さらに巨大なウナギである、なんてのもありますね」