本稿では、Adobe AIRを使って簡単なアプリケーションを作るまで過程を紹介します。注目の技術、Adobe AIRで何ができるのか、どうやって開発するのかを解説していきます。
Adobe AIRとは?
今後、最も期待している技術は何かと5つあげていくと、その中に必ず入るのが、「Adobe AIR」です。Adobe AIRは、アドビシステムズが開発したデスクトップアプリケーションの実行環境です。
AIRが面白いのは、これまで使ってきたWebアプリケーションの技術、HTML/JavaScriptやFlash/Flexを利用して、デスクトップアプリケーションを作ることができる点にあります。もし、これまでに、HTMLやFlashで何か作ったものがあれば、それを、簡単な作業で、デスクトップアプリケーションとして公開することができるのです。ちょっと手を加えるだけで、Webで動くアプリケーションと、デスクトップで動くアプリケーションの両方を提供することができるのですから、一粒で二度美味しい技術であると言えます。
Adobe AIRでできること
AIRの開発には、HTML/JavaScriptやFlashを用いるのですが、これまでのWebアプリケーションでは実現できなかったローカルファイルへのアクセスやデータベースの機能を使うことができます。また、透過ウィンドウやファイルのドラッグ&ドロップなどが利用できます。
HTMLやFlashでありながら、Webブラウザの枠を超えて、実行できるのがAIRが注目されている理由です。しかも、手を加えることなく、Windowsだけでなく、Mac OS XやLinuxで同じように動かすことができるのです。
Adobe AIR で提供されている機能
ローカルファイルアクセス(コピー、移動、ショートカット作成) |
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OSネイティブなウィンドウやメニュー(半透明、不定形ウィンドウ) |
ネットワーク(HTTP、ソケット) |
クリップボード(テキスト、ビットマップ、ファイル) |
ファイルのドラッグ&ドロップ |
システムトレイアイコン(Windowsのタスクトレイ、Mac OS XのDock) |
キーボード/マウス |
バイナリデータの読み書き |
マルチメディア(音声/動画) |
データベース(SQLite) |
ネットワークの監視(接続状況の確認) |
HTML/PDF |