じっくり確実に合わせるオートフォーカス
中央のAFポイントを使用し、オートフォーカスの速度を調べた。EV5の明るさで平均約1.5秒、EV1で約1.8秒だった。いまとなっては平均的な速度だが、明るさやターゲットが違ってもほとんど変わらない、安定した合焦性能をもっている。初心者に撮っても、確実に合わせてくれるフォーカス性能はありがたいはずだ。
AFポイントは3点。多くはない、というか、一眼レフではもっとも少ないAFポイント数でもある。しかしそれでダメというわけではない。三脚に据えてじっくりフレームを決めていくようなシーンでは不満を感じるかもしれないが、スナップ的な撮影が中心ならほとんど困らない。D60にはそのほうが似合っている。
また、任意のAFポイント1点のみを使う「シングルポイントAFモード」、3点すべてを使った「至近距離優先ダイナミックAFモード」のほか、「ダイナミックAFモード」も備えている。選んだAFポイントから被写体が外れても、ほかの2点が同じポイントを追いかけ続けるというもの。スポーツ撮影などに向いている。
ファインダーの視野角も調べてみたところ、実測で約21.0度だった。最近はファインダーを広くとったカメラが増えているので、比較すると少々寂しいが、覗いた限りではそれほど狭い感じはしない。必要にして十分といったところ。
十分な補正効果をもつ新しいVRレンズ
D60と組み合わせられるDX 18-55mm VRの手ブレ補正効果も調べてみた。手ブレ補正のオン/オフそれぞれで、どのくらい手ブレせずに撮影できたかをまとめたのが下のグラフだ。だいたい2~3段の効果が確認できた。
グラフは少々読み取りづらいが、横に見ていくとなんとかわかると思う。たとえば手ブレ補正なしで10カット中5カット撮影できたのが1/30秒だが、オンにすると1/4秒でも同数が撮影に成功している。つまりシャッター速度に換算して3段の効果があった、ということだ。手ブレ補正はシーンや撮影者によって大きく変わるので、あくまで参考として見てほしい。
ついでに、絞りを変えて逆光の噴水を撮影してみた。絞り込んだF22ではフレアが発生し、回折現象の影響で像のエッジがゆるくなってしまった。暗部の落ちぐあいも他と明らかに異なる。絞りはF11まで、せいぜいF16程度に抑えたほうが良い結果が得られるはずだ。
逆光の噴水を絞りを変えて撮影した。F22ではフレアが発生している |
同じ画素数でも解像力は進化
解像力はD40xと比べてみた。レンズはどちらもDX 18-55mm VRを使っている。D60とD40xは同じスペックの撮像素子なので、解像力も同じだろうと思っていたが、少々様子が違う。D40xは1600TV本程度の解像力なのに対し、D60はもうひと伸びして1700TV本あたりまで解像している。解像の限界あたりでもD40xは像がぼやけてくすんでいくのに対し、D60のほうが自然に解像を終了しており、シャープ感やクリアさでも上だ。画像処理エンジンが新しくなったためだろうか。ちょっと驚きだ。