センサークリーニング搭載でゴミ知らず
D60は「D40x」の後継モデルにあたる。D40xはD40をベースに1000万画素化したモデルであり、ボディはほとんど共通だった。D40xの後継であるD60も、ボタン類を含めて外観はD40xとほとんど変わらない。外寸はまったく同じ(幅126mm×高さ94mm×奥行64mm)で、D60のほうが20g重いだけである。
ではD40xとまったく同じかというと、そうではない。機能的にずいぶん改良されている。まず、撮像面に付着したゴミをふるい落とす「センサークリーニング」が搭載された。3種類の周波数でローパスフィルターを振動させるということで、ゴミ除去にかなりの効果が期待できる。次に、情報表示画面がより重視された点が挙げられる。モニター上部に「アイセンサー」を設け、顔が近づくと自動で消えるようになった。またカメラを縦位置に構えると、情報表示も縦に表示される。ちなみにアイセンサーを装備したといっても、ソニーのαシリーズのようにオートフォーカスが自動で動いたりはしない。
また、画像処理エンジンも改良されたようで、ニコンの新しいブランド名「EXPEED(エクスピード)」が付けられた。絵づくりがどう変わったかは後半で述べたい。そのほか、暗部を明るくする「アクティブD-ライティング」の搭載、画像をつないで動画として記録・再生する「ストップモーション」機能が追加されたことなどがD40からの変更点として挙げられる。細かなところではアイピースもより大きく、見やすい形状となった。
標準ズームにも手ブレ補正を搭載
レンズキットに含まれる「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR」(以下、DX 18-55mm VR)は、D60に合わせて開発された小型の手ブレ補正レンズ。D40とセットになる「AF-S DX Zoom-Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6G II」に手ブレ補正を組み込んだともいえるが、当然レンズ構成や重量は異なる。またEDレンズや非球面レンズもDX 18-55mm VRには使われていないようだ。しかし最短撮影距離(0.28m)や絞り枚数(7枚)、超音波モーターによるAF駆動などは変わっていない。いずれにしてもボディ単体にプラス1万数千円で手ブレ補正レンズが手に入るのだから、コストパフォーマンスは非常に高いといえる。また、今回のテストや試撮もほとんどはDX 18-55mm VRで撮影している。
ダブルズームキットで組み合わせられる「AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 55-200mm F4-5.6G (IF)」は、ほぼ1年前、D40xと同時に発売された望遠ズームレンズ。もちろん手ブレ補正機構を搭載している。これもコストパフォーマンスの高いレンズだ
ニコンは2008年から新しく発売するレンズ名称の付け方を変更した。以前は手ブレ補正を意味する「VR」が名称の前のほうにあったが、今後は末尾近くに付けられることになる。またズームレンズであっても「Zoom-Nikkor」ではなく、単に「NIKKOR」と呼ばれることになる。すでに発売されているレンズの名称はそのままで変更されない。それでD60のダブルズームキットは2本のレンズの名称がずいぶん違うことになったが、過渡期であればそれも仕方がないだろう。