コンパクトデジタルカメラの完成形
FX35のカタログを見てみると、「手ブレ補正」、「顔認識」、「シーン判別」、「超広角レンズ」と4つの特長が挙げられていて、まるでオセロの四隅を抑えたような無敵なカメラに思えてしまった。実際に触ってみても、つっこみどころを見つけるのが難しく、隙がない。操作性も洗練され、使い勝手は向上しているし、多かったノイズも低減されて画質もかなり進歩して、まさに鬼に金棒状態だ。
最近のカメラが判断して自動的にシャッターを切る機能はまだ搭載していない。しかし、パナソニックは顔認識機能を一番遅く搭載したのにもかかわらず、検出精度はトップレベルの検出性能を初めから実現している。現在出ている自動シャッター機能は、カメラが考えるシャッターチャンスと、人の考えるシャッターチャンスのギャップがあり、実用として利用するには何度もシャッターを切らなくてはいけない状態だ。パナソニックのことだから、自動シャッターも納得のいく精度のレベルまで達したら搭載するのではないだろうか。
従来、気になっていた鮮やかすぎる色もずいぶん抑えられたし、ムダなボタンも装備していない。とてもスッキリしている。撮影と再生を切り替えるスイッチがついて、使いやすさもアップした。もちろん薄型でバッグにも素直に入れられる。毎日持ち歩いて使うカメラとして無理がない。FX35はもの完成度の高いコンパクトカメラだと思う。
顔下半分を隠しているが、顔が検出された |
逆光で撮影。ゴーストが発生したが、顔は黒潰れすることなくキレイに撮影されている |
暗部補正をオンにして夜景を撮影。暗部の部分に若干のノイズが乗っている |
錆びた感じや日に焼けた朱色なども正しく再現された |
マクロ機能を使わなくても、かなり近くに寄って撮影できる |
撮影距離は左の梅と撮影距離は変わらないが、インテリジェントモードで撮影するとマクロモードに切り替わった |
従来モデルだと、人工物の色は浮き気味だったが、自然な色で再現されている |
しっとりとした光で梅を撮影。陽に透けた花びらを強調するため、アンダーで撮影してみた |
不忍池でひなたぼっこしていた野良猫。毛の一本一本まで描写されている |
光が当たっているところから、影の部分への明暗を生かしたかったので、暗部補正はオフにして撮影 |
モデル:伊藤莉加、伊藤知良
撮影・レポート:加藤真貴子(WINDY Co.)