ファインダーはα350よりも広く見やすい
ファインダーの視野角は実測で約22.2度(対角)だった。α350の約20.1度より広いのはもちろん、このクラスで見ると「D60」の約20.4度、「EOS Kiss X」の約19.0度よりもずいぶん広い(Kiss X2は未計測)。もともとαシリーズはミノルタの頃からファインダーの見やすさには定評があり、α200も広いだけでなく、クリアで見やすいファインダーを備えている。
強いて難点を挙げるなら、AFポイントを示す線が細く、シーンによってはAFポイントがどこにあるのか、合焦したのかがちょっとわかりづらいことか。それでも慣れで何とかなるレベルだが。手ブレ補正についてはα350のインプレッションを参照してほしい。
オートフォーカスは、EV5の明るさで平均約1.2秒、EV1で約1.5秒だった。速さとしてはごく普通のレベルだが、気になるのはターゲットにかかわらず、外すことが多かったこと。斜線でシャッターが切れないのはよくあるが、他のターゲットでも合焦しないことがあった。暗い条件でコントラストの低い被写体では合いづらいのは当たり前ではあるが、もう少し性能を上げてほしい。
合焦速度を測定したのが右の表 |
EV5の明るさで平均約1.2秒、EV1で約1.5秒は平均的なものだが、ターゲットにかかわらず、合わないことがけっこうあるのが気になる。AFポイントは中央固定 |
高感度時のノイズは少なめ
解像力は1700TV本程度。さすがにα350よりは低いが、十分ではないだろうか。レンズの組み合わせにもよるだろうが(テストにはDT 18-70mmを使用)、周辺の光量落ちはそれほどでもないが、周辺では像の流れが顕著に現れるのが気になった。
高感度時のノイズについてはα350よりもひとまわり少ない。ISO 1600で比べると、α350はコントラストが低下し、赤や青のノイズが現れる。しかしα200ではコントラストは多少下がるものの、色ノイズはほとんど見られない。ISO 3200ではさすがに色ノイズが現れるが、α350よりもずいぶん少なかった。これならISO 6400を設定してもよかったのではないか。
解像力チャート。約1700TV本の解像力が確認できた。撮影距離は約96cm |
画像サイズは最大で「10M」(3872×2592)となる。M、Sはそれぞれ画素数が約1/2、約1/4になる。また縦横比は標準の3:2のほか、ハイビジョンと同じ16:9も選択できる |
高感度時のノイズをチェックした。以下は同じ設定で、感度のみ変更して撮影 |
「高感度ノイズリダクション」機能も装備する。「入」が標準状態。「切」にすると少し処理が速くなる。以下は標準状態の「入」のまま撮影している |
色乗りがいいα伝統の色
カラーモードである「クリエイティブスタイル」や、暗い部分を持ち上げる「Dレンジオプティマイザー」、ホワイトバランスについてはα350とほぼ同じ。クリエイティブスタイルは「夕景」を除くと大きな違いはなく、モードによってコントラストや色味が若干変化する。Dレンジオプティマイザーは確かに効果はあるが、α700のように絵づくり全体を支配するようなことはない。ホワイトバランスは自然でみょうなクセは感じられないが、オートホワイトバランスで微調整できないのが寂しい。
全体の絵づくりについても基本的にα350と同じ傾向だ。色乗りがよく、リアリティの高い画像も手に入る。しかし、画像はα350よりも安定しているように感じられた。α350ではまれにゴーストや薄皮をかぶせたような緩さが発生することがあったが、α200ではほとんど見られなかった。もちろんセットのレンズDT 18-70mmを使用しての話だ。驚くような絵にはならなくても、安価なレンズで安心して撮影できるのだから、初心者にはこちらのほうが向いているのかもしれない。
彩度の高い被写体を撮影し、○の部分のヒストグラムを比較したのが右の図 |
クリエイティブスタイルの各モードで、違いは比較的少ない。赤い部分では、主たる赤を張りつかせ、補色で階調を得るタイプ |
暗部を持ち上げるなど、明るさをコントロールする「Dレンジオプティマイザー」。中央の「スタンダード」が標準 |
Dレンジオプティマイザーを切り替えて撮影。これは「切」 |