モニターが固定されてボタンスペースに余裕
α200のボディ重量は532g(本体のみ)。エントリー機として標準的で、実際手にしても重いとは感じない。しかし女性などの手を考えると、もっと小ぶりにしても良いかもしれない。α350と違う点は、グリップに指を引っかける突起が設けられている。ちゃんとホールドするならこっちのほうが使いやすい。
シャッターやボタン類の感触はα350とほぼ同じ。シャッターは軟らかい感じで使いやすい。ミラーの上下音はカシャコンカシャコンと、やや上質感に乏しい。オートフォーカスもジャージャーと音がする。やはりモーターの入ったレンズが欲しいところ。
背面のボタン類は指を置いただけでは動かず、押し込んでから機能するタイプ。逆に上のふたつのボタン(ISO、連写)と十字キーは簡単に動いてしまうのも同じだ。ただ、α200はモニターが動かないためモニター左右に余裕がある。左側のボタンは十分なスペースに置かれているし、十字キーは中央よりの標準的な位置に置かれている。グリップしているだけで測距点が移動してしまうようなこともあまりなかった。
露出補正は、ボタンとダイヤルが少々離れているので手の小さな人は大変だが、ボタンは一度押すと指を離してもダイヤル操作ができるタイプ。初心者にはありがたいはずだ。
初心者だからといって媚は売らない
そのほか、メニューや表示関係はα350と全く同じとしていいだろう。以下、思いつくまま、箇条書きにした。
- 撮影情報表示は、黒地に白抜き文字でとても見やすい
- よく使う機能は[Fn]メニューまとめられているが、クリエイティブスタイルがない
- [Fn]メニューは、OKを押さなくても選んだだけで選択でき、すぐにレリーズできる
- 撮影直後の確認画面で[Fn][MENU]ボタンを押すと、再生中の動きをする
- 画像の拡大は、一発で6.1倍になるのがとても便利。最大12倍
- アイスタートは常にジージーと動く。α700のようなグリップセンサーがあるとよい
- 液晶モニターは標準的。ただ、α350ほど飛び出していないのがいい
- クリエイティブスタイルにAdobeRGBは不要と思う
- ビデオ出力コネクターが、なぜかメモリーカードカバーの中にある
初心者を前提にすれば、総じて操作性はわかりやすいといえる。例えば感度を選ぶ[ISO]ボタンや連写などを設定する[ドライブ]ボタンなど、ひとつの機能をひとつのボタンに割り振られているのもいい。なにより撮影情報がいつも見られるから、安心して撮影できる。
フルオートなどの簡単な撮影モードもあるが、撮影情報の表示はプログラムAEなどのマニュアル系モードとほとんど変わらない。不親切のようにも見えるが、これはこれでいいと思う。フルオートからプログラムAE、そして絞り優先やマニュアル撮影などへ使い方を発展させていく場合でも、基本的な表示は同じなのだから、そのまま進んで行ける。もしかすると初心者にとっては、最初はとっつきにくいかもしれない。しかし一眼レフの楽しさを知るためには、これが結局早道なのかもしれない。
マニュアルと付属ソフトはもう少し
初心者向けと考えて、マニュアルにも一言。各機能の解説ページには「希望の数値を選ぶ」としかなく、どういったときに選ぶかがほとんど書かれておらず、関連情報へのリンクもとても少ない。キヤノンやニコン並みとは言わないが、せめてメニュー順に設定を解説するページぐらいほしいと思う。
付属ソフトの出来ももう一歩。画像ビューアの「Picture Motion Browser」は自分で画像データを溜めるタイプだが、Windowsなど他で操作することを考えていないのがツライ。Windowsのエクスプローラなどでファイル名を変更すると、同じ画像がふたつ現れるのはどういうことだろう? リロードもできない。RAW展開ソフトの「Image Data Converter SR」も同様だが、いつも「MyPicture」から開こうとするのもどうか。インストールにびっくりするほど時間がかかるのも難点だ。