Bentoはデータベースソフトだが、用途は既存のものと大きく異なる。キャッシュ性能など商用のRDBMS向けの指標で測ることは難しいうえ、比較対象となるアプリケーションが見当たらないため、どのようなことができるか、具体事例を紹介するほうが全体像を把握しやすいはずだ。
そこで、実際にBentoでデータベース (ライブラリ) を作成したときの様子を紹介してみたい。付属のテンプレートを改変し、旅行の記録を写真付きで管理できるようにした、名付けて「諸国漫遊記」ライブラリ。デザインは今ひとつ垢抜けないが、参考にしてほしい。
ライブラリの作成を開始する
ライブラリの作成は、画面左下の[+]ボタンをクリック、またはメニューバーから[ファイル]→[新規ライブラリ...]を選択して開始する。すると画面には24種類のテンプレートが現れるので、目的にもっとも近い体裁を持つものを選ぼう。画面左下の[選択]ボタンをクリックするとライブラリが作成され、画面左のソース欄にアイコンが登録される。
旅行記としてそのまま利用できるテンプレートは見当たらないので、ここではもっとも体裁が近い (わずかな手直しで済みそうな) 「イベント計画」を選択する。ここに写真欄のほか、旅行記として必要な目的地の情報や交通手段、宿泊施設の評価などの項目を追加してもいいだろう。
フォームにフィールドを追加する
ライブラリに情報を記録する場合、対応する「フィールド」が必要だ。選択したテンプレート (イベント計画) には、写真を記録するためのフィールドがないため、画面右下の[+]ボタンをクリックして追加しよう。写真なのでフィールドタイプに「メディア」を選択し、フィールド名に適当な文字列を入力して[作成]ボタンをクリックすればOK。写真1点では寂しいので、ここでは写真用のフィールドを3つ (フィールド名: 写真1~3) を登録している。
作成したフィールドは、画面右のフィールド欄に表示される。作成直後は、フォーム上に登録されていない (未使用 = 白) 状態となっているため、フォームの任意の位置へドラッグ&ドロップすること。登録後は、フィールド欄の状態が変化 (使用中 = 透明) に変化することがわかるはずだ。なお、使用する予定のないものは削除してかまわない。
レイアウトを調整する
フォーム上へドラッグ&ドロップしたフィールドは、表示位置を揃えるなどレイアウトの調整が必要だ。メニューバーから[表示]→[フォームのカスタマイズ]を選択、またはツールバー上の工具ボタン ([-]ボタンの右横) をクリックすれば、レイアウト変更モードに切り替わる。
フィールドの表示位置の変更やサイズ調整は、選択した状態 (青い枠線で囲まれた状態) で行う。線上にマウスを移動すると、カーソルが「←」「|」「→」などの状態に変化するので、上下左右へドラッグすれば大きさを変更できる。ワープロやプレゼンテーションソフトで見られるような、配置ガイドも表示されるので、フィールドの幅を揃えることも容易だ。
既存のフィールドを変更する
あらかじめ用意されているフィールドを変更する場合には、フィールド欄で対象の項目を選択した状態から、画面右下にある追加コマンドボタンをクリック、[編集...]メニューを選択する。
たとえば、テンプレートには「優先順位」プルダウンメニューが用意されているが、旅行記のフォームには必要ない。しかしこれを「交通手段」に変更、マイカーや飛行機などに変更すれば、旅行記でそのまま利用できる。同様に、「ステータス」などのフィールドについても、旅行記に適した内容に変更すればいいわけだ。ほかにも、関係する他のライブラリのレコードを格納しておく「関連レコードリスト」を追加するなど、工夫次第では複層的なデータベースもできるはず。筆者も、この「諸国漫遊記」ライブラリを今後拡張していくつもりだ。