Bentoには、クエリー (一般的なデータベースソフトで用いられる検索機能) という概念がない。確かにデータベースソフトではあるが、Macユーザにも親しみやすいよう、クエリーやSQLに代わる独特なインタフェースが用意されているのだ。ここでは、そのうちデータハンドリングに関する主要機能について見てみよう。
この特集は、「【特集】緊急解説! Bento - 新世代"パーソナルDB"の全貌をつかむ(前編)」と連動した特集となっています。前編も合わせてお楽しみください。
また、ファイルメーカーのWebサイトでは、日本語に対応した「Bento」無料評価版が配布されています。本特集は、これを利用しながら参照していただくと、Bentoをより深く理解しやすいものとなっています。
検索機能
ライブラリのレコードが増えてきたら、検索機能の出番だ。使い方はかんたん、検索フィールドにキーワードを入力すれば、その内容に応じて即座に検索 (インクリメンタルサーチ) 開始、該当のレコード数が表示される。検索対象としたライブラリのデータのうち、条件に一致したものだけが表示される点では、FinderやiTunesの検索機能と同じと言って差し支えない。
メニューから[レコード] → [詳細検索] (または[Command]+[F]キー) を実行すれば、より高度な検索が可能だ。特定のフィールドのみ検索対象としたり、複数の条件を設けて「すべて (AND)」で絞り込みを行ったり、FinderやiTunesでもお馴染みの方法で検索できる。FinderのスマートフォルダやiTunesのスマートプレイリストと同様に、検索条件を保存して「スマートコレクション」とする使い方もある。
ところで、Bentoには「コレクション」という機能も用意されている。こちらもスマートコレクション同様、ライブラリから抽出したデータをもとに作成するが、コレクションは検索機能とは直接関係ない。iTunesにたとえれば、スマートコレクションは「スマートプレイリスト」、コレクションは「プレイリスト」なのだ。スマートコレクションでは条件が変更されるたび内容が更新されるがコレクションはされない、など機能差に関しても同様だ。
集計機能
Bentoには、かんたんな集計機能が用意されている。デフォルトでは非表示に設定されているが、メニューバーで[表示]→[集計行を表示]を選択すると表示 / 非表示を切り替えることができる。機能的には、Microsoft ExcelやNumbersなどの表計算ソフトに用意されている自動集計機能と同じだ。
集計の対象となるフィールドは、数値と通貨、継続時間、レート、自動カウンタ、および計算 (結果が数値 / 通貨 /継続時間) にかぎられる。計算結果を他のライブラリに使用したり、データとしてエクスポートすることはできないが、とりあえず目の前のデータを計算したいという用途には役立つことだろう。
表: 集計機能で利用できる計算方法
名称 | 表示される内容 |
---|---|
合計 | 選択したフィールドの合計値 |
Count | 選択したフィールドで値を持つ項目数 |
平均値 | 選択したフィールドの平均値 |
最大値 | 選択したフィールドの最大値 |
最小値 | 選択したフィールドの最小値 |
なお、フィールドタイプによって適用可能な計算方法が異なる点には注意。たとえば、CSVファイルからデータをインポートするとき、フィールドタイプに「テキスト」を選択すると、たとえそのフィールドに数値が表示されていても、計算方法に合計や平均値を選択できない (Countのみ使用可)。