Bentoはデータベースソフトに属す製品だが、単純にそうだとは言い切れない分類の難しい側面があることも確か。機能や具体的な使い方を説明する前に、そのコンセプトと主な特徴を紹介しておこう。
"パーソナルな"データベースである
Bentoは、個人や小規模事業所をターゲットにした「パーソナルデータベース」に位置づけられる製品だ。これまでデータベースソフトに縁がなかった、あったにしても尻込みしていた層に対しアピールするよう、機能がデザインされている。税抜きで5,000円を下回るというプライシングからも、Bentoという製品の性格がうかがえようというものだ。
カレンダー / スケジュールを管理する「iCal」、住所など個人情報を管理する「アドレスブック」と連携した機能は、Bento最大の特徴と言っていいだろう。Mac OS Xに標準装備された、これら定番ツールとデータをリアルタイムにやり取りすることにより、いわゆるGTDソフト(効率的な業務遂行を支援するツール)としても活用できる。写真や動画といったリソースを管理することもできる。矛盾する言い方だが、データベースソフトほど堅苦しくないデータベースソフトなのだ。
Leopardオンリー、その理由
Bentoの動作環境は、Mac OS X 10.5(Leopard)以降。ユニバーサルバイナリ化されているため、PowerPC / Intelいずれのプラットフォームでもネイティブの速度で動作するが、10.4(Tiger)以前の環境には対応しない。
その理由の1つには、Leopard付属アプリケーションとの連携が挙げられる。Leopardには、データハンドリング用フレームワーク「Core Data」、およびバックエンドとしてオープンソースのDBエンジン「SQLite」が収録され、アドレスブックやiCalといったアプリケーションに活用されているからだ。TigerにもCore Data / SQLiteは収録されているが、LeopardのCore Dataは「Core Data 2.0」として強化されている。iCalのデータとの連携を可能にする「CalendarStore」や、AppleEventを生成する「ScriptingBridge」など、Leopardで追加されたフレームワークへの依存も確認できる。