赤坂サカスの玄関口は東京メトロ千代田線赤坂駅だ。近くにある赤坂見附駅に比べ、これまで目立たぬ駅に過ぎなかったが、赤坂サカスの完成とともに大変貌を遂げた。3番出口の改札を出ると、赤坂Bizタワーに直結する「サカスフロント」が広がる。
ここでまず目に飛び込んでくるのが地上へ続くエスカレーター脇の壁面いっぱい描かれた巨大な壁画。日本画家・千住博画伯による「四季樹木図」だ。縦8m×横24mの大空間に四季の自然が色鮮やかに描かれている。千住画伯の絵を信楽で陶器に焼き付け。86枚の美術陶板に仕上げたもの。その巨大さと美しさに誰しも目を奪われる。描かれている桜は国の天然記念物である福島県三春町の滝桜。ここにも桜の花を「咲かす」の意味が込められている。
エスカレーターを登りきると、その先に赤坂BLITZ前に出る大階段が待ち受ける。グランドオープンまでは通行できないが、ここでもビックリする仕掛けが来場者を待ち受ける。赤レンガの階段に埋め込まれたディスプレーが、様々な映像を映し出す。階段を登ろうとすると、行く手に巨大な映像が展開される仕掛けだ。テレビ局TBSらしい歓迎に、訪れる人はさっそくワクワクするに違いない。
地上へ出ると、新しい街が広がっている。ランドマークの赤坂Bizタワーは、オフィス・商業の複合ビル。地上4階から38階まではオフィスフロアで、1フロア2,836平方メートルの無柱空間は、オフィスビルとして最大級の空間とのこと。博報堂DY、毎日放送、東京エレクトロンなどの大手企業が入居する。
赤坂Bizタワーの地下1階から2階までは、長年赤坂で親しまれてきた老舗と新業態の店舗合わせて46店舗が並ぶ商業施設だ。地域住人、オフィスで働く人、赤坂サカスを訪れる人、それぞれのライフスタイルに合ったニーズを満たす店舗構成に工夫されている。
地下1階はデイリーサポートゾーン。オフィスワーカーのランチ需要に対応したフーズショップやデリ、さらにはマツモトキヨシやセブンイレブン、TSUTAYAなども並ぶ。1階アトリウムはスペイン料理、ポルトガル料理、地中海料理といった夜や休日も楽しめるバラエティ豊かなレストランが、またアトリウム2階には、赤坂離宮やざくろといった老舗名店が集結している。
さらに1階の屋外、一ツ木通りと赤坂通りをつなぐ一角には「仲通り」と名付けられたゾーンが設けられた。まるでヨーロッパの街角のようなおしゃれな街並み。ヨーロッパによく見られる広場といった趣だ。ここには、ファッションやインテリア雑貨、リラクゼーションサロンやカフェが並んでいる。これまでTBS放送センターの玄関にあったTBSストアも、この一角にオープンする。
仲通りを抜けて一ツ木通り側にあるオフィス玄関を通り過ぎると、赤坂サカスのシンボルレストランである老舗フレンチ「マキシム・ド・パリ」の建物が見えてくる。赤坂サカスのイメージに合わせ、ビストロ、カフェ・ワインバー、ブーランジェリーの3つの新業態店舗での出店だ。