赤坂サカスは、東京放送が赤坂に所有する約1万6,000坪の敷地の内、TBS放送センターに使われている6,000坪以外の約1万坪を、東京放送と同社から業務委託された三井不動産が総額770億円をかけて行なった大規模再開発。ランドマークになる高さ180m、39階建ての赤坂Bizタワーを中心に、ライブハウス、劇場、ショップ、レストランなどが並ぶ、複合エンターテインメント空間だ。
実際現地に立つと、東京都心の超一等地にこれほど広大な空間があったのかと驚かされる。路地が入り組んでゴチャゴチャしたイメージの赤坂とは打って変わり、なだらかな丘にゆったりとした空間を取った施設配置が、赤坂の雰囲気を一変させた。六本木ヒルズや東京ミッドタウンなど、すでにある名所スポットとも明らかに一線を画すゆとりの空間が広がる。
赤坂の地形の記憶をとどめるなだらかな丘を登る道に沿って植えられた桜の木。11種約100本の桜が、3月上旬には河津桜にはじまり5月まで咲きつづけ、訪れる人を楽しませるという。「サカス」は桜の花を「咲かす」である。咲いた花とともに、人々の笑顔を咲かせ、夢を咲かせたいと関係者は語る。
料亭街だった赤坂には、古くから独自の伝統文化が息づいてきた。その地に放送局だけでなくライブハウスや劇場を設けることで、イベント、演劇、音楽など新たな文化発信を行なうことが赤坂サカスの目的だという。伝統文化と新しい文化を融合させて、新しい"赤坂文化の花"を咲かすことが、もうひとつの「サカス」だ。
さらに赤坂は坂の街である。三分坂、薬研坂、丹後坂、氷川坂……、坂の町にあるたくさんの坂、つまり「坂s」。こうした様々な要素で、赤坂という地とひとつになることにより、赤坂により多くの人々に来てもらうことが、赤坂サカスの目的だという。