ソニーから新しいデジタル一眼レフカメラ 「α350」が登場した。ライブビューを特長の筆頭に挙げたユニークなモデルだ。発売は3月7日だが、事前に触れることができたので報告したいと思う。α350の価格はオープンだが、大手カメラ店では9万円弱で予約を受け付けている(2月末現在)。またレンズキットも用意され、「DT 18-70mm F3.5-5.6」がセットになった「α350 ズームレンズキット」が10万円弱、「DT 18-200mm F3.5-6.3」を組み合わせた「α350 高倍率ズームレンズキット」が14万円弱程度の模様。
クラス最高レベルの1420万画素
2007年11月にミドルレンジモデル「α700」が発売され、立て続けに「α350」「α200」が発売されることになった。さらに2008年中にはさらに上位のフラッグシップ機も発表するという。どうやらソニーは本気のようだ。
α350の解像度は有効1420万画素。これは現在のところ、ペンタックスの「K20D」と並び、APS-Cサイズの撮像素子を搭載する一眼レフとしては、もっとも高画素なクラスのカメラとなる。最近増えてきたCMOSではなく、CCDを使用する。撮像感度はISO 100~3200。連写速度は通常撮影時が約2.5コマ/秒、ライブビュー時は約2コマ/秒が最高となる。
背面の液晶モニターは、23万画素2.7型の「クリアフォト液晶」。光の反射を抑える「ARコート処理」が施されている。さすがにα700のもの(92万画素3.0型)は採用されなかったようだ。
オートフォーカスのAFポイントは、α100と同タイプの9点測距。中央にはクロスセンサーを使用する。すべてのAFポイントを使用する「ワイド」、中央のみを使用する「中央に固定」、9点のうち1点を自由に選ぶ「ローカル」が選択できる。オートフォーカスモードとしては、シングル(AF-S)、コンティニュアス(AF-C)、両方を自動で切り換えるモード(AF-A)が用意されている。
ライブビューのための可動式液晶モニター
α350はライブビューを最大の特長として登場した。昨年は多くの一眼レフカメラが同機能をを搭載したが、ライブビューを前面に押して登場したカメラというと、2006年2月に発売されたオリンパスのE-330や、2007年10月に登場したパナソニックのDMC-L10などを思い出す。どちらも複数のライブビューモードを備えていたが、扱いは少々複雑になった。α350の考え方はちょっと違う。通常のファインダーを使った撮影とできるだけ同じように撮れることを目指している。このライブビューについては後ほど改めて触れたい。
従来のαシリーズ同様、α350はCCDシフト式の手ブレ補正機構をボディ内に装備する。シャッタースピード換算で約2.5~3.5段分の補正が可能としている。もちろんすべてのαレンズで補正は有効になる。また、この手ブレ補正機構を活かした振動によるゴミ取り機構「アンチダスト駆動」も装備するが、超音波で動かすわけではない。
αの特長になりつつある「Dレンジオプティマイザー」ももちろん搭載。明るさをコントロールし、逆光などで暗くなる部分を持ちあげる機能。「スタンダード」と「アドバンス」が選択できるが、α700で初登場した、手動で効き具合を調整できる「アドバンス レベル設定」は用意されていない。
Wズームではなく、高倍率ズームレンズキットを用意
レンズだが、α350とセットで発売されるのは2種類あり、ズームレンズキットは「DT 18-70mm F3.5-5.6」、高倍率ズームキットが「DT 18-200mm F3.5-6.3」と組み合わせられる。α200のようなWズームキットではない。DT 18-70mm はα200のキットでも使われている比較的安価なレンズ。対してDT 18-200mmは約11倍の高倍率ズームだ。価格差は約4万円もある。幸い、どちらのレンズも試すことができたので、後半で報告したい。
また、オプションで用意されるものとして縦位置グリップ「VG-B30AM」がある。シャッターボタンを奥まったところに設けることで、縦位置グリップ特有のバランスの悪さを解消しており使いやすい。バッテリーパックを2個収納でき、動作時間を伸ばすことも可能だ。