ラップランドは、どの季節においても楽しみが多いことが魅力だ。四季が比較的はっきりしているラップランドでは、季節に応じて様々なアクティビティが楽しめる。例えば、春にはスキー、夏にはトレッキングやフィッシング、秋には美しい紅葉、冬にはウィンター・アクティビティなど、枚挙にいとまがない。

その中でも今回ご紹介したいのは、冬のラップランドだ。冬のあいだ大地は深い雪と氷に閉ざされ、太陽は1日数時間しか現れず、気温も氷点下数10度までにもなる。が、そんな環境だからこそ白銀の世界はとびきり美しく、ウィンター・アクティビティにはもってこいなのだ。

ラップランドの子どもたち。学校の帰り道は雪遊びをしながら!

寒く暗い冬のラップランドで日中できることは限られ、時間を持て余してしまうのでは、と心配される人も多いと思うが、それは大間違い。実際、楽しめるアクティビティは想像以上に多い。犬ぞり、スノーモービル、クロスカントリー、スノーシュー……。いずれもラップランドの大自然を満喫できるだろう。必要な道具は全てレンタルできるので、ぜひトライしてみては? そして、アクティビティの後には本場のサウナが待っている。ラップランドの宿泊施設には、たいていサウナが併設されているが、場所によっては敷地内にロッジ風のサウナが独立しているところもある。スタイルは高温に熱せられたサウナストーンに水をかけ、温度を調節しながら、その蒸気で体を温めるというもの。サウナ室を出たり入ったりしながら30分ほど入るのが正しい入り方だ。冷え切った体を芯まで温めてくれることだろう。そして、日が暮れてからはもちろん、1番のハイライトであるオーロラ鑑賞だ。

だが、オーロラ鑑賞について話す前に、ラップランドでの見所をご紹介したい。ラップランドは、4カ国にまたがっているせいもあり、町によっても様々な特色を持つ。どこの町で何を見る(する)か、興味や目的に合わせてプランを立てるのがベストだ。

キールナの町から臨む、雪で覆われた迫力満点の山々

今回は、とりわけスウェーデンとノルウェー側のラップランドの町について触れてみたい。ラップランドに空路もしくは陸路で入ったとしても、最初に降り立つのはスウェーデン最北の町、キールナ(Kirura)だろう。キールナは世界で2番目に面積が広く、またオーロラ研究所として名高いスウェーデン王立スペース物理研究所がある都市として知られている。キールナは各周辺都市へのアクセスもよいので、旅の拠点とするとよい。では、キールナから日帰りで行ける町をいくつかご紹介しよう。

ラップランドの拠点、キールナ駅のたたずまい