PCMark Vantage v1.0
PCMark VantageのOverallをグラフ96に示すが、これもまたセオリー通りである。このテストはMulti-Threadedなテストが多いので、よりPhenom 3Pに有利な傾向がある。実際、PCMark Detail(グラフ97)を仔細に比較するとこの傾向が如実に判るが、数字に出てこなくても実感できるのが、TV and Moviesのテストである。Athlon 64 X2やPhenom 2Pではこのテストで再生が激しくコマ落ちを起こすのに対し、Phenom 3Pではコマ落ちが殆ど判らない。テストそのものは割と無茶(VC-1→VC-1のトランスコードをしながら、VC-1のHD-DVD映像を再生しつつ中にSD画像をインポーズするとか、Windows Media Centerを動かしながらVC-1のHD DVD映像を再生するなど)なので、これが出来なくても別に困らないといえば困らないのだろうが、CPU性能という点では2Pより3Pの方が好ましい事をわかりやすく示してくれた、とは言える。
Memory Detail(グラフ98)ではTest 2(GPUでimage manipulationを行いつつ、Windows Movie Makerで映像の編集を行うHDDアクセス)で、TV and Movies(グラフ99)ではTest 3(Windows Media Center利用のHDDアクセス)でちょっと性能が落ち込んでいるが、その他はほぼセオリー通り。なんとなくある程度以上の要求を同時に受けると、SB600に接続したHDDアクセスが遅くなる気がするのだが、残念ながらこれを検証する機会は今回は無かった。
Gaming(グラフ100)やMusic(グラフ101)、Communications(グラフ102)、Productivity(グラフ103)などは特におかしな点もなく、
Athlon 64 X2<Phenom 2P<Phenom 3P
という関係が綺麗に成立している。ちょっと数字が暴れているのはHDD(グラフ104)で、Test 5(Windows Movie Makerで映像の編集)/Test 6(Windows Media Center)で落ち込んでいるのが気になるところ。ただこれがPhenomの問題なのか、Triple-Coreにした問題なのか、SB600の問題なのかは今回切り分けは出来なかった。Spider以外のPhenom対応プラットフォームを待ちたいところだ。