PCMark Vantage v1.0
ではPCMark Vantageは? というと、Overall(グラフ54)はPCMark05を彷彿させる感じ。MemoriesでUngangedがややスコアを伸ばしているのがちょっと興味深い程度である。まずPCMark Detail(グラフ55)を見てみると、TLB Cache Disableのスコアの低さはもうどうしようもない。また、Unganged Modeもいくつかのテストでは良いスコアを出してはいるが、せいぜいが1~2%程度。その一方悪い時には7%以上スコアを落としており、トータルでやや低めになるのも無理はない。
もう少しこまかく見てみよう。Memory Detail(グラフ56)でTest 2が面白い事になっているが、これは、
- GPU image manipulation
- HDD - video editing using Windows Movie Maker
という2つの並行動作。Memoriesのテスト項目では無いような気もするが、これならUngangedのスコアが良いとかTLB Cache Disabledの影響が無いのも不思議ではない。
TV and Movies Detail(グラフ57)のTest3とかGaming Detail(グラフ58)のTest1、Music DetailのTest2(グラフ59)といった項目はそれぞれ、
- Windows Media CenterのHDDアクセス
- GPU gaming
- WAVからWMA Losslessへのトランスコード
を単独で行うもので、Ungangedが多少スコアを伸ばしても不思議ではないし、何れも性能差は2%以下だから、誤差の範囲と言ってしまっても良い程度だ。
逆にその他のテスト項目では確実に性能が悪化している。Communication Detail(グラフ60)やProductivity Detail(グラフ61)も同じである。
ちょっと傾向が変わるのはHDD Detail(グラフ62)で、
- Test 3 : importing pictures to Photo Galleryに写真のインポート
- Test 6 : Windows Media Centerの動作
の2つが突出しているのは面白い。Test 3などTLB Cache Disabledが最速だったりする。察するに、この動作ではキャッシュへの要求が高く、TLB Cacheを止めた分がデータのキャッシングに廻り、それが好成績になったのではないか? と思われる。要するに本質的にはL2/L3キャッシュの容量がもっと無いといけない、というあたりであろう。
総じてPCMark Vantageのレベルでは、
- Unganged Modeにアドバンテージはない
- TLB Cache Disabledによる性能劣化は著しい(CommunicationsのTest3など、半分近くにまでスコアが悪化している)
と言えそうだ。