これが本当のラスト! ゲイツ氏が後任のプレゼンターに指名したのは……
前回でラストだと噂されていたCESでのGates氏の講演だが、実際には引退直前の2008年まで続投することが前回の講演の最後で発表された。そして2008年のCES、同氏は講演の途中で「これが私の最後のステージです。2008年の7月をもってMicrosoftでのフルタイムでの勤務を終了します。17歳のときから何十年にもわたってMicrosoftでフルタイム勤務を続けてきましたが、以後は初めてという形で新しい事業に精力を注ぐことになります。すでに私の役目はRay OzzieとCraig Mundieという2人の新たなリーダーに譲っており、これからも優秀なニューリーダーたちがMicrosoftを支えてくれるでしょう」と本当のラストを宣言、「Bill Gates最後の日」と題したジョークビデオの上映を開始した。
Gates氏の引退とリーダー不在が懸念される2008年以降のIT業界だが、着々と権限の移譲が進められていたようだ。Gates氏登場が定番となっていた他のカンファレンスでのキーノートも、引退が決定した2006年以降は同氏が前面に出てスピーチすることは少なくなった。特に2007年はその傾向が顕著で、2月に開催されたRSA ConferenceのキーノートではCraig Mundie氏が講演の中心となり、Gates氏がアドバイザーとしてときどきコメントを発する程度という、バトンタッチを非常に意識したものであったことが印象に残っている。今回のCESのキーノートも同様で、前半の過去を振り返るGates氏の講演から、後半のBach氏の現在と未来を語るスピーチといったように、やはりバトンの受け渡し式といった趣となった。Bach氏は講演の最後を「来年また会いましょう」のコメントで締めくくり、以降のCESキーノートは同氏にバトンタッチされたことをアピールした。