続々登場するMicrosoftの新サービスと新技術
Windowsプラットフォーム3本柱の一角を成すWindows Liveの強化が着々と進められている。発表当初はGoogle対抗の当て馬的に見られる向きもあった同サービスだが、その後も地道な改良が加えられ、1つの総合プラットフォームとして利用するに値するだけのものになりつつある。壇上のデモでは強化されたCalendar機能が紹介され、メンバー内でスケジュールの共有やイベントへの招待メール送信など、仕事やプライベートに複数のLiveサービスを組み合わせて活用できる様子が示された。またコミュニティ機能も特徴の1つで、各人のカスタマイズページを参照したり、ストレージサービスのWindows Live Spaceに写真をアップロードしてFlickrやPicasaのように複数ユーザーからの閲覧を可能にするなど、単なる検索サービスにとどまらない充実ぶりが目に入るようになってきた。
そして注目技術の1つが近年同社が力を入れているSurfaceだ。前述のように、Microsoftはユーザーインタフェースの改良が次世代の技術トレンドをドライブする鍵だと考えている。マルチタッチ技術を利用したインタラクティブな入力が可能なSurfaceでは、従来のキーボードよりも直感的な操作が可能となる。Gates氏が壇上のデモで見せたのは、ユーザーが自由にカスタム装飾を施してオリジナルのスノーボードを発注できるサービスで、2本の指だけを使って好きな模様を好きな色と大きさで配置し、自身の手書きサインを自在に配置できるというものだ。高度なPC操作技術は必要ない、イメージ通りの世界だ。
注目技術の3つめはSilverlight。Adobe Flash対抗と目されるSilverlightは、より軽量動作が可能な点が大きなセールスポイントとなる。YouTubeなどのサービスでブレイクし、Flashの最新バージョンであるMoviestar(開発コード名)がビデオプレイバック(再生)機能を重視していたように、Silverlightもまたビデオ再生の分野でFlashを猛追する。米3大ネットワークの1つNBCとの提携で、同社がMSNサイト経由で配信する2008年北京オリンピックの中継・報道映像の再生技術にSilverlightを採用したことが発表された。動作が軽く、インタラクティブ性に富んだ点がどのように活きてくるかに注目だろう。