AVアンプとして初めてHDMI 1.3aに対応 - オンキヨー

「2007年で一番印象に残っているのは、AVセンターの『TX-SA605』です。HDMI 1.3a搭載。ドルビーTrueHDやDTS-HDといった最新の音声規格に対応しているなど、このクラスではほかにないハイスペックモデルとして、多くのメディアに取り上げていただき、市場でも高い評価をいただきました。発売当初は、生産が間に合わなくご迷惑をおかけしましたが、現在は、やっと落ち着いて来ています。ただ、上位モデルの『TX-SA705』は、流通在庫以外は、現在注文いただいても、納品は2月ごろになりそうです」とのことです。

TX-SA605は、AVアンプとして初めてHDMI 1.3aに対応したモデルで、5月の発表時点では、同時に発表された「TX-SA805」とともに、次世代オーディオ/ビデオに完全に対応できる唯一のモデルでした。現時点でも、そのハイコストパフォーマンスさは変わりありません。

筆者はTX-SA605もそうですが「AV GATE」シリーズも印象に残った製品でした。これについては「AV GATEシリーズは4年前から販売していて、手軽に構築できるラックインシアターという分野の草分け的存在でした。しかし、最近では、手軽にサラウンド環境をという方はラックインシアターを、そして、より音質や臨場感を求める人は単品コンポでのサラウンドシステムを、という住み分けが進んできていて、後者の比率も高くなってきています。弊社はミドルハイ以上の製品をメインとしたメーカーなので、やはりそちらが中心となっていくでしょう」とのことです。

ようやく品不足が解消されてきた人気モデル「TX-SA605」

2か月待ちの「TX-SA705」

音質マイスターエディションをはじめとする高音質路線を追求した - ケンウッド

ケンウッドは、ホームオーディオ、カーオーディオ、無線機器などを製造販売していますが、今回はホームオーディオ機器についてのみお伺いしました。

「ホームオーディオ機器では、『Kシリーズ』、中でも『K1000シリーズ』がもっとも印象に残った製品です。従来のKシリーズがCDレシーバー+スピーカーという組み合わせだったのに対して、K1000では、レシーバーとCD部分をセパレート化することで、干渉を排除するなど、コンパクトコンポの枠を越えた、よりリアルなサウンドを実現したモデルです。こういうシステムとしては珍しいのですが、電車の中吊り広告やラジオのCMなども行っています。反響も大きく、システムとして購入すると15万円前後と、コンパクトコンポとしては高価なモデルであるにもかかわらず、大型店を中心に販売実績も上がっています」とのことです。

筆者は、「MEDIA Keg」シリーズのデジタルオーディオプレーヤー「HD60GD9」が、非常に同社らしいモデルとして印象に残っているのですが、この製品については「ポータブルオーディオプレーヤーとしての便利さを求めるというよりも、あくまでも音質にこだわりたいという方々から高い評価を受けている製品です。品切れが続いていましたが、最近ようやく、量販店で販売する分は揃えられるようになりました。ただし、弊社のショッピングサイトでの販売分までは確保できていないので、こちらは品切れ扱いとさせていただいています」とのことだ。

CDプレーヤーとレシーバーをセパレートにした「K1000」シリーズ

プリとメインのアンプを独立させ、シャーシも2重構造。さらに内側のシャーシは制振構造の「fホール・グランド・シャーシ」という「HD60GD9」

スタイリッシュで高品位なサラウンドシステム - デノン

「8月に発表した『S-302/102』がもっとも印象に残った製品です。ホームシアターパッケージというと、手軽に使える入門機的なモデルが多いのですが、Sシリーズは、手軽さは備えながらも、機能面、音質面、画質面での高いクォリティを追求したモデルです」とのことです。

S-302/102は、2.1chのシアターシステムで、コンポジット/S/コンポーネント端子から1080pへのアップスケールが可能なHDMI端子も搭載します。ヨーロピアンチューニングされたスリムなスピーカーシステムの組み合わせで、スタイリッシュかつハイクォリティなシステムを手軽に構築できるモデルです。また、S-301には、LANポートも装備されており、PCに保存された音楽ファイルのストリーミング再生や、インターネットラジオを聴くことも可能です。

筆者は、6月に発表されたAVサラウンドアンプ群が強く印象に残っていたのですが、これについては、「AVサラウンドアンプも非常に好調でした。台数的にはエントリーモデルの『AVC-1508』が多くなりますが、シリーズの中心モデルである『AVC-3808』も好調です。また、AVアンプも含めて、2007年に発表した製品の8割程がネットワークに対応しています。これによって、従来のDVDなどのパッケージソフトを試聴するという楽しみ方だけでなく、ホームエンターテインメントのコアとしての新しい形を提案していければと考えています」とのことでした。

操作性、接続性と映像音のクォリティを両立させた「S-302」

エントリーモデルの「AVC-1508」。DeepColorやxvYCCに対応したHDMI 1.3aを搭載する

最新デコーダーを搭載し、2系統装備したHDMIに同時に出力可能(もちろんアップコンバージョンも可能)な「AVC-3808」

ラックシアターとしての評価が高まったサウンドプロジェクター - ヤマハ

「2007年に発表した製品で一番印象に残った製品といえば、YSP-4000です。テレビ売り場に展示されていることもあって、ラックと組み合わせた『YSP-LC4000』のセットで購入されるケースが多くなっています。テレビの音、簡易的なシアターセットの音に飽き足らない方が購入しているようです。もちろん、DSP AVアンプとスピーカーの組み合わせいう選択肢もあるのですが、日本の住宅事情を考えると、誰でもというわけにはなかなかいかないでしょう」とのことです。

YSP-4000は、「サウンドプロジェクター」シリーズの最上級モデルです。サウンドプロジェクターは、一体型のボディに納められた複数の小型スピーカーで音のビームを作って、スピーカーからの直接音と壁を利用した反射音を組み合わせて、バーチャルではない、リアル5.1chサラウンドを実現するシステムです。シリーズの最上位モデルYSP-4000では、CECに対応したHDMI端子を、入力2系統、出力1系統装備していて、ビデオ信号のアップコンバージョンも可能となっています。YSP-L4000のラック部分は37V型~52V型のテレビに対応するローボードタイプ。

筆者の印象に残った製品は、久々に発表されたプリメインアンプのA-S2000だったのですが、それについては「Hi-Fi回帰という流れはあります。『A-S2000』と『CD-S2000』の登場により『Soavo』シリーズの環境が整ったことも確かです。ただ、それは大画面テレビと組み合わせたサラウンド環境などと比べると、やはりニッチな市場でしょう」とのことでした。

ワンボディで、リアル5.1chサラウンドを実現する「YSP-4000」。HDMIにも対応するサウンドプロジェクター最上位モデル

YSP-40000を組み込んだラックシアターシステム「YSP-LC4000」

デザインが懐かしいプリメインアンプ「A-S2000」。全段バランス伝送で、完全対称コンストラクション構造