2007年に、唯一発売された超薄型液晶テレビ「Wooo UT」と、重電の技術を生かした家電製品 - 日立製作所
日立製作所も、AV機器と家電製品とで、それぞれ別の担当の方に伺っています。まず、AV機器ですが、「Wooo UTです」と即答されてしまいました。超薄型液晶テレビの試作機は各社から発表されていますが、製品として2007年に出荷できたのは、この「Wooo UT32-HV700」のみなので、やはり注目度は高かったようです。12月15日の発売で、「年末商戦の後半になってからの市場投入だったにもかかわらず、好調な滑り出し」だとのことです。現在販売されている32V型のモデルは1,366×768画素のハイビジョンモデルで、2008年に発売される37V型/42V型の2機種は1,920×1,080画素のフルハイビジョンモデルです。
家電製品は「風アイロンを搭載した洗濯乾燥機『BD-V2000』と真空チルドルームを搭載した冷凍冷蔵庫」とのことで、どちらも、独自性を追求したモデルです。BD-V2000は、2006年の「BD-V1」で採用されていた、大口径ドラムによって衣類のしわを防ぐという構造に、衣類に高速な風を当ててしわを伸ばすという機構を加えたモデルです。一方の真空チルドルーム搭載冷凍冷蔵庫は、チルドルーム内の空気を真空ポンプによって減圧することで、食品の鮮度を保つというものです。
さて、筆者の印象に残ったモデルは、AV機器ではなぜかUTではなく「IV-R1000」。この製品はiVポケットを2基搭載したデジタルチューナーです。これに対しては「確かに、ほかにはない製品ですが、やはりUTでしょう」とのことです。家電製品では、クリーナーの「CV-PL800」でした。紙パック式で、ひたすら排気のきれいな「プレミアムクリーン」シリーズの製品ですが、これも、やはりインパクトという点では、BD-V2000や真空チルドルーということになるでしょう。
最厚部でも39mmという、超薄型液晶テレビ「Wooo UT32-HV700」。2008年には、フルHDの37V/42V型も発売予定 |
Woooユーザーはもちろん、そうでなくても、便利そうなiVDR対応のデジタルチューナー「IV-R1000」 |
衣類にしわがよりにくくなるビッグドラムに、風の力で衣類にしわを伸ばす「風アイロン」を追加した「BD-V2000」。積極的にしわを伸ばす唯一の洗濯乾燥機 |
真空チルドルームを搭載した冷凍冷蔵庫。写真はプレミアムモデルの「R-X6000」 |
ラインナップ充実のAQUOS - シャープ
シャープも、AV機器と家電製品の両分野について伺っています。AV機器では、「AQUOSです」という回答でした(それはそうでしょう)。「プレミアムモデルのRシリーズ、コンパクトスリムのGシリーズなどラインナップも増え、テレビだけでなく、レコーダーやシアターシステム、また、すべてのキャリア向けにAQUOS携帯を用意するといった広がりを見せた年でした」とのことです(Willcom向けにもぜひお願いします)。家電製品では、「第4世代になったウォーターオーブン『ヘルシオ』シリーズと、先日発表したルームエアコン『SX』シリーズ」とのことです。
AQUOSシリーズはもはや説明の必要もないでしょう。家電製品のヘルシオも加熱水蒸気によるヘルシーな調理という分野を切り開いたモデルとして、広く知られています。そして残ったルームエアコンのSXシリーズですが、これは、他社のエアコンとは若干異なったスタイルと方向性を持った製品です。特徴となっているのが、ルーバーを装備せず、室内機のカバーが開いてその役割を果たす「ロングパネル構造」と、それによって実現される「気流テクノロジー」です。気流テクノロジーは、冷房時には部屋の天井と壁、暖房時には部屋の床と壁に沿って流れる気流によって、直接体に風が当たらず、部屋全体をムラなく快適な温度にするというものです。
さて、筆者の印象に残った製品は、AV機器ではやはりAQUOSです。これはどうしてもこうなるでしょう。その中でもLC-22P1といった、小型フルHDでPCのモニターとしても使えるモデルなどは、非常に気になる製品です。家電製品では「新・冷気流テクノロジー」を採用した冷凍冷蔵庫。冷蔵室内だけでなく、冷蔵室に保管した食品を乾燥させないために、ファンを使用せず、庫内背面にある「うるおいクールパネル」による輻射冷却という方法を採っています。こちらについては、「それも注目製品の1つです」とのことでした。
ポータブルナビブームが追い風に - 三洋電機
三洋電機は、家電製品とデジタル製品とに分けてお伺いしました。まず家電製品ですが「いろいろとあるのですが、一番印象に残っているのは、クリーナーの『エアシス』です。床だけでなく部屋の空気もきれいにする空気清浄サイクロンクリーナーで、13万1,250円というかなり高額なモデルにもかかわらず、9月の発売以来2か月で出荷台数が1万台を超えています」とのことです。
排気内に残る微粒子をキャッチすためのフィルターを設け、排気をきれいにするというクリーナーは、最近では比較的良く目にします。ただし、エアシスは、0.3μm以上の微粒子をキャッチする仕様となっており、これは日立製作所のプレミアムクリーンシリーズと並び、現時点での最高レベルです。さらにエアシスでは、掃除の時に空気をきれいにするだけでなく、空気清浄器として単独運転させることが可能、また花王のクイックルワイパー用のウエットシートを自動装着可能なパワーブラシを装備など、独自の機能を備えたモデルです。
デジタル機器では、「ミニゴリラが一番印象に残った製品です。ミニゴリラは2006年に初代モデルを発売していますが、2007年はPNDがブレイクした年ということもあり、問い合わせも多く、販売台数も増えました」とのことです。
ミニゴリラの最新モデルは10月に発売された「NV-SB260DT」。2GBのフラッシュメモリーを内蔵し、そこに地図や検索ソフトなどを収録するコンパクトなナビです(幅143mm×高さ83mm×奥行き34.8mm)。ワンセグチューナーも搭載しており、録画も可能となっています(録画はSDメモリーカードに行う)。FMトランスミッターも搭載しているため、シガーライターケーブルを接続するだけで車載ナビとして使用することが可能で、さらにバッテリーも搭載しているため、車から降りた後もナビとして使用できるというものです。
さて、さて、筆者の印象に残っているモデルは、家電では、オーブンレンジの「デリスタ」、デジタル機器では水中でも使用できるデジタルムービー「DMX-CA65」といったところです。デリスタは、350度Cオーブンと40度C加熱水蒸気、大型Wアンテナによるスクランブル加熱など、とにかくハイパワーなオーブンレンジです。また、DMX-CA65は、Xactiシリーズの防水モデル。撮影できる解像度はSDまでなのですが、IPX-8相当の防水性能を持っていて、1.5mまでの水中での撮影も可能というものです。これらについては「デリスタもXactiも注目されたモデルですが、1製品ということだったので……」ということです。
人感センサー搭載エアコンの先駆者 - 三菱電機
三菱電機もAV機器と家電製品との両方の担当者に伺っています。まずはAV機器ですが、「8月に発表した『REAL MZW』シリーズでしょう。光沢処理を施した『DIAMONNDO Panel』の表現力と、52V型でもわずか29.5mmというスリムフレームの採用で、評論家の方々からも高い評価を得ています」とのことです。
同社では、2007年4月に発売された「REAL MZ」シリーズから、スリムフレーム化を進めていて(LCD-H46MZ70:26.6mm、LCD-H40MZ70:25.2mm)、テレビ自体の存在感ではなく映し出される映像の存在感を引き出すデザインとして、高い評価を受けていました。新モデルのMZWシリーズでは、このデザインに加え、光沢処理された広帯域フルHD倍速液晶パネルを採用。x.v.Colorにも対応しています。
同社のAV機器というと、液晶プロジェクターの印象が強いのですが、それについては「液晶プロジェクターは、おかげさまで高い評価、そしてシェアをいただいていますが、シアター用の液晶プロジェクターは、テレビに比べると市場自体が狭い商品です」とのことでした。
家電関係では「11月に発売した『霧ヶ峰ムーブアイZW』シリーズでしょう。今年のエアコンでは、搭載されていなければエアコンではない、とまではいいませんが、人感センサーがトレンドになりつつあります。弊社は昨年モデルより搭載しており、それによるノウハウの蓄積もあります。人のいる場所と、その運動量を検知するだけでなく、壁や床の温度を輻射センサーで検知することで、例えば、外出先から帰ってきたときの暖房や、強い西日が差し込んでいるときの冷房などでも、より快適な空調が可能です。また、暖房能力の強化もポイントとなっていたモデルですので、例年より早い11月中旬には発売を開始し、量販店などでは好調な売れ行きを示しています」とのことです。
確かに、ZWシリーズでは、人感センサーで検出した人の活動量から、フィルターに溜まる埃の量を予測して、自動クリーニングのスケジューリングを行うといったことも行われるなど、積み重ねられてきたノウハウの多さを感じさせられるモデルです。筆者が印象に残った製品も霧ヶ峰ムーブアイZWでした。また、もうひとつ印象に残ったのが、ハイエンドIH炊飯ジャーの「本炭釜」ですが、これについては「本炭釜自体は2006年に発表したモデルですでに採用していたので、新モデルとして印象に残ったといえばZWシリーズ」ということでした。
本炭釜シリーズは、純度99%以上の炭素を原料に、削り出し加工で内釜を作成するというIH炊飯ジャーです。ここまでやるのかという気もしますが、2007年モデルでは、内蓋にも炭コーティングを行うことで、周囲全体から遠赤外線が発生するようになっています。