――MR-Gの特徴について教えてください

井崎 MR-GはG-SHOCKのトップモデルですから、使っている素材や表面処理の技術には最先端のものを採用しています。特にケースやベゼル、裏蓋、バンド、チタンは、接触による磨耗を抑えるため、素材のチタンに深層硬化処理を行い、特殊な表面処理を施しています。チタンが黒っぽく見えていますが、これはデザインのためではなく、DLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)という硬質膜を付けているためです。DLCはもともと金型の表面を硬くしたり、刃物を硬くするといった工業製品用途で使われている表面処理技術です。

通常表面処理したものを顕微鏡で見ると、波を打って凸凹していますが、DLCを施すと平らに仕上がります。表面が平らになると、キズがつきにくくなります。MR-GではこのDLC処理をビス一本にいたるまで施しています。特にバックルのロック機構は、1日最低2回は外すという仮定の下で耐久試験をやるのですが、DLCがついていないと使っているうちにクリック感がなくなってしまいます。DLC処理することで安定した開閉ができるのです。

ビス一本にいたるまでDLC処理が施されている

使っている素材や表面処理の技術には最先端のものを採用

DLC処理することで安定した開閉ができる

それと普通のモデルでは文字を入れるのも金型で打刻で入れているので文字の際のところがすこしダレていたりしますが、MR-Gではコストをかけて1文字1文字彫っています。そのためシャキッと文字が出ていて、つぶれているようなところがありません。せっかく表面をきれいに処理しているのに文字がダレていたらがっかりしますので。

MRG-8000では普通のネジではなく、特殊な十字のネジを採用。そのために見た目の印象がずいぶん違っている。「MRG-8000は定番商品なのでこのスタイルで続きますが、ゆくゆくは特別モデルなどで裏蓋もこのネジにして表はほかの高額な時計で使われているマイナスネジにトライしたいと思っています」と井崎氏