ユーロスターのフランスパリ側の発着駅である、パリ北駅(Gare Du Nord)は、ユーロスター以外にも、メトロやRER(近郊急行地下鉄)、TGV(国鉄高速鉄道)やオランダ - ベルギー - フランスを結ぶ高速列車タリス(Thalys)が乗り入れている。このため、パリ北駅周辺は移民が多く、治安はあまりよくないと言われている。パリ初心者は持ち物などを常に注意しよう。
パリ北駅からは、地下鉄やバスでの移動が便利。タクシーの場合、たいてい長時間待つことになるので、交通手段としてあまりおすすめはできない。行き先に合わせて、カルネ(地下鉄回数券)または、バス&地下鉄の乗り放題チケットを購入するのがよいだろう。
パリ観光でぜひ利用したいのが、パリ市内・近郊の美術館と史跡への入場が可能なパス「カルト・ミュゼ・エ・モニュモン(Carte musees-monuments)」だ。当日のみから3日、5日間有効のパスで、美術館、主要な地下鉄の駅などで購入できる。パスを持参すれば、チケット購入のために長蛇の列に並ぶことなく入場ができる。ただし、特別展は別料金がかかる場合が多い。また、ほとんどの美術館や博物館は、月曜または火曜日のいずれかが閉館日となっているので、閉館日は前もって確認しておこう。ちなみに、全ての国立博物館では毎月第1日曜日は入場無料となっている。
筆者オススメのパリ北駅を拠点とした旅
パリにはロンドン市内に劣らず見所がいっぱい。とても短期間の旅行では回りきれないいので、ポイントを絞って効率よく回ろう。ユーロスターのターミナルであるパリ北駅からは、絶対見ておきたいパリの観光名所に足を伸ばせる。
例えば、パリ北駅からRER(B線)に乗り、サン・ミッシェル・ノートルダム駅(St. Michel Notre-Dome)にて下車。まず、ノートルダム大聖堂(Cathedrale Notre-Dome)へ。ノートルダム大聖堂は彫刻とステンドグラスが美しい、セーヌ川のシテ島にそびえ立つゴシック建築の寺院。鐘楼に登ってパリの景色を一望することもできる。そして、セーヌ川に沿って歩きながら、ルーブル美術館(Musee du Louvre)に行ってみてほしい。ここは言わずと知れた、200年以上の歴史を持つ世界一の規模で有名な美術館。館内は6万平方メートルの広さのため1日かけても見きれないが、せめて数時間~半日は取ってほしい。収蔵品では、ハムラビ法典、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」、ミロの「ヴィーナス」は見逃せない。
そのままルーブル美術館から真っ直ぐ西へ進み、今度はコンコルド広場へ。コンコルド広 場は、フランス革命期にルイ16世とマリー・アントワネットが処刑された場所として知 られている。生々しい歴史があるが、現在は広場というよりも多くの車が行き交う交差点 と化し、そんな悲惨な歴史を微塵も感じられない。
その後、コンコルド広場からはシャンゼリゼ通りを通って、ナポレオンの提案で着工し、1836年に完成したという凱旋門(Arc de Triomphe)へ進もう。シャンゼリゼ通りは3kmに渡るマロニエの並木道。地下鉄の駅にして2駅の距離だ。この通り沿いには、有名ブランド・ショップやカフェやレストランが立ち並び、いつも人で賑わっている。特に、夜のイルミネーションはロマンチック。12月~1月上旬にかけてパリを訪れる予定のある人は、クリスマス・イルミネーションは必見だろう。
パリのランドマークの代名詞とも言える、エッフェル塔(Tour Eiffel)もその近くに見える。凱旋門からの景色は素晴らしく、パリ全体を見渡すことができる。そのままシャン・ド・マルス・ツール・エッフェル駅(Champ de Mars-Tour Eiffel)へ行き、そこから地下鉄でパリ北駅へ戻ってもよいし、まだ余裕時間があるなら、オルセー美術館(Musee d'Orsay)やオペラ座(Opera Garnier)も押さえておきたいところだ。オルセー美術館は、アート好きなら必見の場所。ゴッホ「自画像」、ミレー「落穂ひろい」といった有名な作品が展示されている。オペラ座では、本格的なオペラやバレエが鑑賞できるが、オペラやバレエを見なくても、内部の見学することが可能だ。舞台装置や衣装などが展示された博物館も中に併設されているので、舞台ファンにはたまらないはずだ。