見所はセント・パンクラス駅だけじゃない

ユーロスターを利用しての旅行は、飛行機に比べ手軽で簡単。各都市のターミナル駅は市内の中心にあるため、乗降前後の時間を利用して観光もできるのが魅力だ。リニューアルオープンしたセント・パンクラス駅の構内だけでも十分楽しめるが、時間に余裕があるなら駅周辺も散策してみよう。セント・パンクラス駅近郊には見所がたくさんある。

ここではその中から、ユーロスターに乗車する前の数時間でも楽しめる観光スポットをいくつかご紹介していく。

まずは、セント・パンクラス駅から地下鉄ノーザン・ライン(Northern Line)で1駅のエンジェル駅(Angel Station)周辺。ここは、おしゃれなカフェやレストランが立ち並ぶエリア。閑静のよい住宅街としても知られる、このイズリントン(Islington)と呼ばれるエリアは、地元の若いロンドナーのお出かけスポットとしても人気だ。

イズリントンの中心エンジェル駅

エンジェル駅に着いたら、まず、アンティーク・マーケットをのぞきに行ってみよう。駅の北側から伸びるアッパー・ストリート(Upper Street.)の東側には、毎週水曜日と土曜日の週2日、ロンドン市内でも屈指のアンティーク専門マーケット、カムデン・パッセージ(Camden Passage)がオープンする。ここではジュエリー、家具を中心に、時計、絵画、古着といった本格的なアンティークが、迷路のような細い路地にところ狭しと並べられる。常設のアンティーク店は火~土曜日に営業している。数十ポンド程度からアンティークの購入も可能なので、アンティーク初心者でも十分楽しめる。ぜひ、掘り出し物を探してみては?

アンティーク市。奥へ奥へと続く迷路のような細い路地

アンティーク市で売られている色とりどりのブローチ。見ているだけで楽しい

アンティークの時計や家具があちこちに

古着は60~70年代のものが中心

アッパー・ストリートの西側にも、もう1つのマーケット、チャペル・マーケット(Chapel Market)がオープンする(火~日曜:9時~18時)。こちらはがらっと雰囲気が変わって、庶民的なマーケット。チーズ、野菜、衣服、靴、帽子、生活用品などのお店が軒並みに連なっている。地元の人たちも買出しにくるため、ロンドナー(ロンドン人)の生活を垣間見ることができるだろう。

チャペル・マーケット。ロンドナー気分でお買い物

チャペル・マーケットの古本の山。セカンドハンドと言えども新品同様なものも多い

次は、セント・パンクラス駅からユーストン・ロード(Euston Road)沿いに西側へ歩いてみよう。約数分で、大英図書館(British Library)が右手に見えてくる。" British Library "の文字で飾られた門が目印だ。大英図書館は、イギリスの法定納本図書館のひとつで、納本制度に基づきイギリス国内で流通する出版物は、出版の1カ月以内に出版者により1部が収められることが義務付けられている。また、あの『マグナ・カルタ』やシェイクスピアの初版、ビートルズの歌詞カードなど、偉大な書物がずらりと展示されている。一見の価値ありである。入場は無料、展示室内のものは閲覧することができる。

大英図書館の外観

大英図書館の内観。図書館とは思えない広々としたロビーとインテリアに注目

以上、2つの観光スポットをご紹介したが、そのほかにも映画『ハリー・ポッター』のホグワーツ行きの列車が発着する駅として、有名になったキングス・クロス駅は徒歩数分圏内だ。また、世界でも有数の規模を誇る大英博物館、コベント・ガーデン、ピカデリーサーカス、バッキンガム宮殿など、ロンドンの観光地の定番と言われる場所へはセント・パンクラス駅から地下鉄を利用すれば、わずか10分程度で足を伸ばすことができるだろう。