ベンチマークテストの環境
今回のテスト環境は以下の通り。前回のも8800 GTのファーストインプレッションを計測した時と全く同じパーツ構成で臨んでいる。ただし、テストに割ける時間が極めて限られていたため、全カードを同じドライバ環境で統一することができなかった点をあらかじめお断りしておきたい。新8800 GTSのドライバは、製品に同梱のドライバCDに収録されていた「ForceWare 169.06」を利用している。
CPU | Core 2 Duo E6850(3GHz) |
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Motherboard | XFX MB-N680-ILT9(nForce 680i LT SLI) |
Memory | Corsair TWIN2X2048-8500C5(1GB×2)、DDR2 1066で動作 |
HDD | Seagate Barracuda 7200.10 500GB SATA (ST3500630AS) |
OS | Windows Vista Ultimate 日本語版 |
Graphics Driver | ForceWare 169.04 ただし、新8800 GTSのみForceWare 169.06を使用 |
以下のグラフ中で「GeForce 8800 GTS 512MB(標準)」となっているスコアは、nTuneを使って動作クロックを定格にした場合のものである |
なお、先にも述べた通り、PV-T88G-YDD4は定格よりも微妙にオーバークロックされたモデル。ストリームプロセッサの数やメモリ容量は同じだが、コア/メモリクロックが678/1970MHzとなっている。そこで今回は、nTuneを使って実際の新8800 GTSの動作クロックに近づけた状態でのテストも行っている。
フルHDでも1万オーバー!「3DMark06」
3Dグラフィック系では定番となる「3DMark06」の結果からチェックしていこう。「アンチエイリアス&異方性フィルタリングなし」の設定と、「4Xアンチエイリアス&16X異方性フィルタリング」を適用した高負荷設定の2つで計測している。
テストに使った製品がオーバークロックモデルだけあって、デフォルト設定のテストでは、8800 GTXを軽く上回っている。1920×1200ピクセル環境においても10,000を下回らない点は、ある種の感動すら覚える。さすがに高負荷設定になると搭載メモリやストリームプロセッサの数で上回る8800 GTXの後塵を拝するが、クロックダウンした状態でも、8800 GTXに対し200程度しか負けていない。まさに正統な8800 GTXの下位モデルといってよい仕上がりである。
「Crysis」はストリームプロセッサとメモリの差が結果に影響
次は先日、完全日本語版がリリースされたDirectX 10世代の期待のタイトル「Crysis」のデモ版「Crysis Single Player Demo」を使ったテストだ。設定は「Advanced」内の項目を全て「Very High」、DirectX 10環境下でのみ可能な最高画質を選択したものを標準とし、さらに「3DMark06」と同様のアンチエイリアス等の設定を加えた高負荷設定を用意した。
8800 GTXでも重いテストだけあって、新8800 GTSでもかなりの苦戦を強いられている。ただし3DMark06と違い、オーバークロック状態の新8800 GTSが8800 GTXに微妙に及ばない結果になっているあたり、CrysisのCryTek2エンジンはストリームプロセッサの数はもちろん、メモリバス幅やメモリ搭載量が影響する設計になっているといえそうだ。高負荷設定時の性能の落ち込み方は8800 GTよりも激しいが、これはドライバ固有の問題のように思える。低解像度で8800 GTが頭一つ抜けているあたりもチューニング周りの問題かもしれない。いずれにせよ、それを裏付ける検証まで届かなかったのは少々残念である。