今年も様々なGPUがリリースされたが、その中でも特に目立ったものといえば、先月から流通の始まった「NVIDIA GeForce 8800 GT」だろう。すでに本サイトでも8800 GTのファーストインプレッションをお届けしているが、実売で3万円台後半という価格に見合わぬパワーは、最新ゲームをサクサクと楽しめるパワーを持ったグラフィックスカードが欲しい層に強烈なアピールを放ったようだ。
さて、これまでGeForceでは、"GTX"を筆頭に"GTS"、"GT"という「序列」ができていたのだが、8800 GTの性能は既存の8800 GTSを軽く超越している。この法則の綻びを修正するためかは定かでないが、NVIDIAは新しいコアを使った新型の「GeForce 8800 GTS(以下、新8800 GTS)」を投入してきた。今回、XFX製の8800 GTS搭載カード「PV-T88G-YDD4」を運良く試用することができたので、そのファーストインプレッションをお届けしたいと思う。
動作クロックとSP数を増量しただけ?
新8800 GTSは8800 GTと同じ、65nmプロセスルールで製造される「G92」を利用している。8800 GTと比較した場合、ストリームプロセッサ(統合シェーダ)の数および動作クロックは増えているが、最大搭載メモリやメモリバス幅は据置きになっている。8800 GTと同様に第2世代の「PureVideo HD」を搭載している点は要注目だ。
GeForce 8800 GTX | GeForce 8800 GTS(新) | GeForce 8800 GTS(旧) | GeForce 8800 GT | |
---|---|---|---|---|
コアクロック | 575MHz | 650MHz | 500MHz | 600MHz |
SP数 | 128 | 128 | 96 | 112 |
シェーダクロック | 1.35GHz | 1.625GHz | 1.2GHz | 1.5GHz |
メモリクロック | 1.8GHz | 1.94GHz | 1.6GHz | 1.8GHz |
ビデオメモリ容量 | 768MB | 512MB | 640/320MB | 512/256MB |
メモリバス幅 | 384bit | 256bit | 320bit | 256bit |
次に実際のカードをチェックしてみたい。今回入手できた「PV-T88G-YDD4」は、前後長23cmの基板に2スロット占有型の大型クーラーを搭載。ファンの取り付け位置はやや基板後方にずれており、基板面から数度傾けて設置されているのが、旧8800 GTSとの相違点だ。基板の端に6ピンの電源コネクタが1つ設けられており、カードの扱いやすさは旧8800 GTSや8800 GTと大きくは変わっていない。
スペックだけを見た感じでは、G92コアを使い8800GTの上位版と呼ぶに相応しいGPUに仕立ててきたことがわかる。今回テストに使用しているXFX「PV-T88G-YDD4」はオーバークロック版となっており、実勢価格は52,000円程度になりそう。なお、同社の定格モデルとなる「PV-T88G-YDF」は5万円を切る価格で登場すると思われる。
それでは実際にベンチマークテストを通して、新8800 GTSのお手並みを拝見することにしよう。