携帯版とPC版の違い、今後の展開

最後にSo-net SNSのPC版と携帯版の違いについて伺った。

「So-net SNSの携帯版を8月に出したが、PC版と携帯版はまったく違う使われ方をしている」(千輝氏)。携帯版は地域コミュニティとして使われたり、ママ友達などの身近な関係同士でつながったりすることが多いのだ。

PC版は活動内容に沿ったコミュニティ名が多いのに対し、携帯版はコミュニティ名だけでは内容を推測できないことが多く、それ以上人を集める意志がないクローズドな使い方をするものが多い。会話のテンポは携帯版のほうが速く、トピックの投稿や返信がチャット状態となっている。アクティブ率はかなり高い半面、PC版のように議論に発展するケースはあまり見受けられないという。

So-net SNSの携帯版は大学生から団塊世代くらいのユーザーが利用しており、(「モバゲータウン」を利用するような)若年層はそれほど参加していない。「携帯版SNSはユーザー同士の距離感がPC版と異なり、ノリも違うため、PC版と携帯版は今後も別物として作っていくのがいいのかもしれない。たとえば、PCは(自分でデータを作成する)創造の文化だが、携帯電話は(用意されたコンテンツから選んでいく)選択の文化。(携帯版SNSを盛り上げるには)その選択肢を増やしてあげるのがよいと考えている」(千輝氏)。

「開始する前はもっと大きいSNSが現れると考えていたが、小さなSNSがたくさんできた。SNSの数は多いが、規模感は小さく、中身は濃くなる傾向にある」(千輝氏)。同社としては、オーナーをどれだけ支援していけるかが大切と捉え、今後もサポートを続けていきたいという。また、参加者同士をつなげる機能として、SNS内の日記でトラックバックが行えるようにする仕組みなども考えていく。次のステップとしては、現時点ではまだ実験段階だが、ビジネスモデルの確立も目指したい考えだ。