オープン制から招待制への移行時期がポイント
SNSの成長を維持するために、どんな工夫をすればよいだろうか。千輝氏は「SNSを開設して早い段階で招待制へ移行することも重要だ」と説明する。
開設当初はオープン制にしたほうが参加者を集めるのに効果的だが、ある段階で招待制に切り替えるのがコツだ。オープン制で参加したユーザーは知り合いがいないケースが多い。初期参加メンバーなら誰もが条件は同じだが、参加が遅れるほど既存ユーザーとつながりを持ちにくくなる。そこで、オープン制である程度の人数を確保したら招待制に移行し、はじめから"既存ユーザーとのつながり"を持ったユーザーの参加を促すのだ。これによって既存ユーザーのフレンドも増え、総じてつながりを広げやすい環境が醸成される。招待制への移行によって新規参加者の伸びは一時的に下落するものの、徐々に盛り返し、結果的にはアクティブ率の増大につながる。
もちろん招待制に切り替えるだけでアクティブ率が維持されるわけではない。オーナーには、フレンド申請キャンペーンやオフ会を実施するといった工夫も求められる。それによって新たな参加希望者を引き込み、新規参加者からまた関係性が広がるという"良いループ"ができあがる。
SNSの場合、フレンド数が増えるとそれだけで日記を書いたりコミュニティに参加したりする動機が確立する。そうした動機ができるだけで、アクティブユーザー率は増加傾向に転じる。平均フレンド数は端的にSNSの活動率を示す指標になるというわけだ。
リアルなつながりも大事
オンラインだけでなくオフラインの「リアルなつながり」があると、より「人とのつながり」が濃くなる。それによってフレンド関係の密度も濃くなり、平均的なフレンド数も増えるようになる。「ランニングSNSで実際に一緒にランニングする、競馬SNSなら競馬場オフや予想大会を開くといったSNSのテーマに沿ったイベントを開くことが大事。それができたかどうかで後の盛り上がり方は変わってくる」(千輝氏)。また、SNSの基本となる考え方「6次の隔たり」(6人以上の知り合いを介すと世界中の人とつながる)に則り、7人以上集まったかどうかがSNSとして広がるかどうかの境となるという。