基本性能は高いもののマルチメディア用途には不向き

パフォーマンスについては、Windowsエクスペリエンスインデックスの基本スコアで2.9と、Windows Vistaを快適に利用するのにギリギリのスコアだ。ただし、スコアがふるわないのは「グラフィックス」の3.0と「ゲーム用グラフィックス」の2.9の2項目で、その他については3.9から5.7とよい結果を出している。

グラフィックス機能のスコアが低いために2.9という基本スコアが出ているが、プロセッサ、プライマリハードディスクのスコアは高く、メモリを増設すればかなり「使える」マシンとなりそうだ

PCMark05、3DMark06、Final Fantasy XI Official Benchmark 3でもやはりグラフィックス性能の弱さが全体的なスコアの低さにつながっている。しかし、Final Fantasy XI Official Benchmark 3では、低解像度で「デフォルト状態でとても快適に動作させることができる」とされる「とてつよ」、高解像度でも「デフォルト状態でストレス無く動作させることのできる」とされる「ちょうど」を記録していて、ちょっとしたオンラインゲーム程度ならばそれなりに楽しめる程度の実力を持っていることが伺える。

PCMark05

PCMark 3402
CPU 4165
Memory 3007
Graphics 1135
HDD 5521

3DMark06

3DMark06 Score 255
3DMark06 SM2.0 Score 117
3DMark06 Pixel Shader 8.666
3DMark06 Shader Particles N/A
3DMark06 Perlin Noise N/A

FF XI Official Benchmark 3

High 1854
Low 2987

まとめ

ThinkCentre A61e Ultra Small 644912Jは、フットプリントがB5ノートパソコンサイズの小型筐体に、高い静粛性をあわせ持ったコンパクトデスクトップパソコンだ。設置スペースに制限があるデスク周りだけでなく、生活騒音が少なく稼働音が耳につきやすい寝室や書斎に設置するサブパソコンとしても最適だろう。省スペース性と静音性の高さ、HDD換装の容易さなどを生かして常時起動と大容量ストレージが要求されるサーバ用途にも向いている。また、デュアルコアCPUと1GBメモリ、2層書込対応DVDスーパーマルチドライブ、Windows Vista Businessと基本的な性能をきっちりと押さえながらも8万円台で入手できるコストパフォーマンスの高さも見逃せない。必要に応じてパーツのアップグレードを行いながら、長く使える使い勝手に優れたデスクトップパソコンが欲しいというユーザーにオススメしたい製品だろう。

今回使用した評価機の仕様と価格