デスクトップ向けのパーツを採用することで長く使える製品に
これまでIntelプラットフォームが中心だったデスクトップ製品において、AMDプラットフォームが採用されているのも大きな特徴だ。今回試用した「ThinkCentre A61e Ultra Small 644912J(以下、644912J)」では、CPUはAMD Athlon X2 デュアルコア・プロセッサ BE-2350(2.1GHz)、チップセットはグラフィックス機能を内蔵したAMD 690V+AMD SB600という組み合わせとなっている。グラフィックス機能は、DirectX 9/OpenGL対応のグラフィックスチップ「ATI Radeon X700」をベースにした「ATI Radeon X1200」を利用する。ビデオRAMとして利用できるメモリ容量は最大256MBで、メインメモリと共有。なお、ATI Radeon X1200は、「ATI Radeon X1000」シリーズから採り入れられた画質向上技術/機能「AVIVO Technology」を採用し、モアレやジャギー感、ゴーストの発生を抑え、ソースに忠実ながらも鮮やかな動画再生機能を楽しめるというのも特筆すべきポイントだ。
メモリは1GB容量のPC2-5300 DDR2 SO-DIMMが1枚搭載されているが、通常のデスクトップパソコン向けメモリではなくノートパソコン向けのSO-DIMMが採用されている点に注意したい。なお、メモリスロットは2本で空きスロットが1本残っており、同容量同規格のメモリを2枚セットで装着すればデュアルチャネルメモリアクセスも利用できる。なお、最大搭載可能メモリ容量は4GBだ。
メモリはノートパソコン用のSO-DIMMが1枚装着されている。メモリスロットは2本用意されているので、最大4GBのデュアルチャネル構成も可能だ。ただし、32ビット版OSを使うならば、OS側の仕様により3GBまでしか認識できないという問題があるが… |
ストレージデバイスは、ハードディスクが160GB容量の7,200回転3.5インチSerial ATA HDD、光学ドライブが5インチの2層書込対応DVDスーパーマルチドライブが用意されている。いずれもノートパソコン向けの2.5インチHDDや薄型のスロットローディング式光学ドライブではなく、一般的なデスクトップパソコン向けのものだ。保証対象外となってしまうが、ユーザー自身が換装を行えば安価かつ容易にスペックの強化を図ることができる。同社では、この点については「ノートパソコン向けの部品を使って業界最小筐体を実現することも不可能ではないが、購入後3年、5年といった長い期間、きちんとユーザーに使ってもらえる製品にしたかった」との理由でデスクトップパソコン向けの部品を採用したとしている。なお、フロッピーディスクドライブは搭載されていない。
もうひとつ、使い勝手への配慮としては、筐体内部へのアクセスのよさが挙げられる。本体上部のスライダーを動かすだけで本体カバーが取り外せるツールレス筐体となっていて、パーツ交換や筐体内のホコリ除去などが手軽に行える。また、細かい部分ではあるものの筐体内部の見通しがよく、パーツの取り外しが簡単なのも嬉しい心遣いだろう。
その他の機能は、Wake on LAN対応ギガビットLAN、ATI SoundMax (HD Audio) 2 channel stereoなど。FAXモデムやセキュリティー・チップ(TPM)は省略されている。OSはWindows Vista Businessがプリインストールされている。