iGoogleのプログラムはパフォーマンスよりも可読性を重視?

Googleのすごさは、世界規模で新しいサービスを順次提供しつつも、サービス停止を起こさないそのスケーラビリティの高さにある。こうしたスケーラビリティを支えているのはGoogleのテクノロジだが、iGoogleのように実際にサービスを開発しているエンジニアはスケーラビリティについてはほとんど考えないのだという。スケーラビリティについては専門のチームが設けられており、そのチームがなんとかしてくれるというのだ。

Shieh氏は「スケーラビリティや運用、パフォーマンスについては専門のチームがなんとかしてくれるから、自分はわかりやすく書くことに専念すればいい」と笑いながら説明した。

無料サービスが生み出す価値、Googleの錬金術

非常に高度なサービスを無償で提供するiGoogleだが、Shieh氏をはじめとするエンジニアの賃金はどのように賄われているのか。この点はやはり、Google検索等の広告収入になるという。

iGoogleは、Google検索に対して付加価値を提供するサービスという位置づけになる。iGoogleを通じてGoogle検索を多くの人に使ってもらい、広告がリーチできる範囲を広げようという取り組みだ。

Googleでは、そのほかにも同様のサービスを数多く提供しているが、とりわけ特徴的なサービスとしてGoogle Wi-fiというものが挙げられるという。

Google Wi-fiは、インターネットにだれでも無料で接続できるようにするサービスである。すでにGoogleが本社を置くカリフォルニア州マウンテンビューにおいて提供されており、市全体に無償のWi-Fiネットワーク網が張られている。

Googleでは、マウンテンビューに続いてサンフランシスコにおいても提供を計画している。インターネット接続手段を無料で提供することでネットユーザが増え、結果的にGoogleを使うユーザも増える。最終的にGoogleの収益が延びるという寸法だ。各種サービスを無償で提供することで、間接的に売上を得ようというGoogleならではの錬金術だ。