独自機能や装備をチェック
次はT61pの装備や機能にも目を向けてみたい。ThinkPad伝統ともいえる7段キーボードやトラックポイントと併用できるタッチパッド、パームレスト上に配置された指紋センサなどがまず目につくが、正直面白味はあまり感じられない。だがデバイスマネージャを見るとUSBコントローラの配下に「UltraWideBand」の文字がある点には注目しておきたい。そう、このT61pは「ワイヤレスUSB」を搭載したノートPCでもあるのだ。対応デバイスが入手できなかったので使い心地までは検証できなかったが、高性能なPCには最新デバイスというトッピングがあるだけでワクワクさせられるものがある。
T61pのデバイスマネージャ。USBコントローラの下にある「WQST110」がWiQuset製のUWBコントローラだ |
VistaにはワイヤレスUSBのドライバがまだ実装されていないため、ワイヤレスUSBの制御ツールはタスクトレイに常駐する。ただ対応デバイスがないので使い心地がわからないのが残念 |
また、目立たないがT61pには新しい電源管理機能「Battery Strech」が追加されている。バッテリ残量が少なくなった際に画面のリフレッシュレートを低減させたり、ワイヤレスデバイスへの通電をカットすることで電力をかき集めるというものだ。CPUや液晶パネルのランクが上がったため、バッテリの持続時間については結局±0だろう(カタログスペックではT61pの方が短い)。また、余談ではあるが、T61pは先日発効した「Energy Star」規格の最新版「Energy Star 4.0」に準拠している。
BTOって何ですか?
使っていて一番気になったのが標準搭載メモリの少なさだ。チップセットがPM965 Expressであるため、OSの制限を除けば素で4GBまで認識することが可能だが、標準搭載メモリは1GBと非常に少ない。Vistaで1GBは動くには動くが、どうしてももっさり感がつきまとい、せっかくのCPUもそれほど速いと感じない。もちろん、プロユーザーがターゲットである以上、メモリは注文時増設がデフォルトだろうが、動作確認用にしても1GBは少なすぎる。HDDのスペックも5400回転/160GBと凡庸なのも気にかかる。ただでさえ値段が40万近いのにメモリや何やらを盛り込んでいけば、あっという間に45万円コースになるのは残念なところだ。
しかし、濃密な作業環境を約束してくれるWUXGA液晶や、それに負けないCPU/GPU、そして何より昔と変わらぬThinkPadクオリティには十分満足できるものがある。持ち運びやすいノート型ワークステーションが欲しいなら、ぜひとも検討してみたい一台だ。