CAD/3DCGユーザー向けのハイエンドマシン
まずはT61pのスペックをざっとチェックしてみよう。T61pはCore 2 Duo T7700(2.40GHz)にPM965 Expressという組み合わせをコアにした、いわゆる"Santa Rosa"世代の製品だ。15.4インチのWUXGA液晶へ描画するGPUはNVIDIA「Quadro FX 570M」であることを考えると、ホビーユーザー向けというよりは、どちらかといえばCAD/3DCGなどをノートで行ないたいプロユーザー向けの製品であることがわかる。搭載OSはVistaのUltimateだが、XPはもちろん2000における動作確認もされている。このあたりもOSの選択にシビアなプロ向け製品であることの一端が伺える。
ThinkPadのTシリーズは元々A4スリム・モバイルを狙った路線だけあって、T61pのデザインも薄くスマートだ。デザインの要素は1世代前のT60pと共通だが、液晶が4:3からワイド液晶に変更されたことに伴い、横幅が40mm程広くなっている。光学ドライブ(2層対応DVDスーパーマルチ)や外部ディスプレイ出力(アナログVGA)、ギガビットイーサといった装備は継承されているが、さらにT61pには前面に新たにメモリカードリーダーが追加されたことは地味だがウレシイ変更点だ。
さらに本体の剛性もT60より向上していることにも注目したい。前モデルにも採用されていたマザー等の部品を保護する「ThinkPad Roll Cage」の他に、T61pでは液晶天板部分にもハニカム構造の金属製フレーム「LCD Roll Cage」が追加されている。
これを持たないT60では、液晶を開く際のリリーススイッチが右に寄っていたため、片手で開こうとすると液晶が歪みそうで怖い感じがするのだが、T61pではLCD Roll Cageのおかげで幾分安心して操作ができる(強度的には20%増とのことだ)。もちろんカバンに詰めたT61pを満員電車に持ち込むことの多い人にも、この強度アップはありがたい変更点だ。
HDDの周囲に貼られたゴム製のショックアブソーバーや振動を感知してHDDのヘッドを退避させる耐衝撃機能も継承されている。ヤワなノートPCなぞお呼びでないヘビーデューティ志向の人にはたまらない設計だ。