仕事環境が激変確実の"超"高解像度液晶

さて本命の液晶に移ろう。現在WUXGA液晶といえば、一部のAV志向ノート等で使われる17インチワイド、またはデスクトップ用の24インチワイドの液晶が主だが、T61pの液晶は15.4インチワイド。ドットピッチをざっくり計算すると、わずか0.17mm程度。一般的な24インチワイド液晶だと約0.27mmだということを考えると、T61pの液晶のピクセル密度がよくわかるだろう。

みっちりと表示されるデスクトップを見るだけで、もう自分の仕事能力が1割増したような気にもなろうというもの。Webブラウザのウィンドウを2枚横に並べて作業する感覚に慣れてしまったら、もうこれより下の液晶に戻ることはできない。

画面表示を司るのはNVIDIAの「Quadro FX 570M」というプロ向けのGPU。GPUとしての設計はGeForce 8600M相当のものだが、メインメモリの一部を描画領域として使い、最高511MBのビデオRAM領域を確保できること、さらにGeForce系ではなくQuadroを採用したことでOpenGLに特化したドライバが利用できるのが大きな特徴だ。特にCADや3DCG制作を日常業務にしている人にとっては、OpenGL特化ドライバの存在は咽から手がでる程欲しいフィーチャーのはずだ。

やたら大きな画像になってしまうが、これだけの情報量が15インチワイドの液晶に詰めこめる。実寸での感覚が見たい人は、拡大画像の方を自分の画面上で横330mmになるように縮小してみるとよいだろう

もちろん、VistaのAeroの描画も速いし、設定を控えめにすれば3Dゲームも普通に楽しめる。ゲーム用と言い切るにはGPUのパワーが今一歩足らないが、画面解像度に負けない程度のパワーはあるといえるだろう。

LostPlanet:Extreme Conditionの体験版のベンチマーク機能を使ったテスト(DirectX 10用は動作せず)。中間程度のバランスで、ということで画質設定はアンチエイリアスオフ、異方性フィルタリング4倍、「中」にできる設定は全て「中」、残りは「高」設定で1280×720ピクセルで測定。結果はそこそこだったが、さらに設定を絞ればなんとかゲームも楽しめそうだ。

解像度は高いが画質はちょっと……

T61pのWUXGA液晶は作業効率のアップはもちろん、ながら仕事を促進してくれるウレシイ(?)効果もあるのだが、使っていると1点だけ残念な点があることに気がつく。それは、液晶の視野角が狭いのだ。

今やノートでも広視野角液晶は当たり前、製品によっては色純度90%に達する液晶が搭載されているが、T61pの液晶は超高解像度&アンチグレアであるという点以外には語るべきものがない。特に上下の視野角が狭く、液晶に対し正対するように頭の位置を調整しないといけないのはちょっと残念だ。

これは15インチワイドでWUXGAというニッチなニーズを満たす液晶パネルを製造するメーカーがないのが最大の原因だろうが、フォトレタッチ系の作業を考えているなら素直に外部ディスプレイを使え、としか言いようがない。それでもデスクトップの解像度は画質に優先するという考えのボクは、間違いなくT61pを選んでしまうわけだが……。

使っていて気になるのは上下方向の視野角が狭い点だろう。輝度はもちろん色味も変わるため、フォトレタッチには向かない