巨大ジオラマワールドは、京都なら金閣寺・銀閣寺・京都タワー、大阪なら通天閣・大阪城・空中庭園というように、各都市を代表する建造物、山川、街並みを忠実に再現している。加えて、ホビスタならではの演出効果もすばらしい。例えば、1サイクル15分で、朝・昼・夜と時間が経過していく演出がなされており、同じ世界を見つめていても情景が変化していくのを楽しめる。特に満天の星空が天井に浮かび上がる夜景は、まるでプラネタリウムのようで、本物さながらに神戸の百万ドルの夜景も再現されていて圧巻である。その中を走るHOゲージ鉄道模型車両先端にはピンホールカメラが搭載されており、ジオラマワールドを走り抜ける列車からの臨場感あふれる風景が、会場トップの37インチ大画面液晶モニタに浮かび上がる仕組みとなっている。
このセットを知るに当たって、筆者は、ホビスタがマニアックな鉄道愛好家ばかりで埋め尽くされているのではないか……と想像しつつ現地を訪れたのだが、驚くべきことに、夏休み中ということもあってか、ジオラマワールド周辺に詰めかける人々の大半が小さな子どもたちだった。男女を問わず、しばらくはジオラマワールドに釘付けになっており、その子どもたちを連れている親が、楽しそうに各地のランドマークの説明をする姿が目立った。ミキシングは、ホビスタの構想時から、親子の明るいコミュニケーションの場を作り上げることを目指してきたとしており、特に母親と娘ほどには触れ合いの場が少ない父親と息子の絆を一層深められるように、との願いが込められたという。会場には、孫を連れて歩く笑顔のおじいちゃん・おばあちゃんの姿もよく見受けられた。