AMDにとって今年最大のビッグイベントとなるのが、クアッドコアCPU「Barcelona」のリリースだ。ウエハの歩留まりは目標を上回っており、2007年第3四半期中の出荷に向けて順調にスケジュールをこなしているという。

サーバー&ワークステーション担当コーポレートVPのRandy Allen氏によると、Barcelonaは"投資保護"、"電力性能効率"、"仮想化(バーチャライゼーション)"、"パフォーマンス"の4点で「ゲームの流れを変える」という。Barcelonaは、新コアとシリコン技術の投入を交互に行うPipe (Platform Innovation Progression)に組み込まれている。またCoolCoreテクノロジなど最新の省電力技術の導入効果で、ワット性能(Performannce per Watt)が飛躍的に向上した。例えば3GHzのデュアルコアOpteronとの比較で、2GHzのBarcelonaは同じ電力で1.79倍のパフォーマンスを実現しており、その伸びは、より効率的な仮想化の実現につながる。

新コアとシリコン技術の投入を交互に行うことで、プラットフォームの信頼性と価値を高めるPipe

Pipeに従って進化するOpteronプラットフォーム

シングルコア、デュアルコア、クアッドコアの進化を通じて、同じ消費電力のままパフォーマンスが向上

2GHzのBarcelona(緑)と2.33GHzのXeon 5345(青)のSPECfp_rate2006とワット性能の比較

Barcelonaは発売時に動作周波数が最大2.0GHzのスタンダード版と同1.9GHzの省電力版が用意される。この2つでターゲット市場の94%をカバーできるという。第4四半期には動作周波数が引き上げられる見通しで、さらに同四半期には動作周波数2.3GHz以上のハイパフォーマンス版を投入し、残る6%にも対応する。