米AMDが7月26日(現地時間)にカリフォルニア州サニーベールの本社で「Technology Analyst Day」を開催した。2007年後半から2008年のプラットフォーム・ロードマップをアップデートすると共に、2009年以降に登場する新アーキテクチャのコア、今後の技術戦略などを説明した。
米国時間の7月19日にAMDが発表した07年第2四半期決算は、売上高こそ前年同期比13%増の13億7,800万ドルだったが、最終損益は6億ドルの赤字となった。ライバルIntelとの競争で平均販売価格(ASP)が低下しており、価格競争から抜け出すことが同社の大きな課題となっている。
AMDの打開策はシンプルだ。顧客やエンドユーザーの要望に応える製品を展開する。ただし、単純に性能を引き上げるだけでは、今日のユーザーには満足してもらえない。社長兼COOのDirk Meyer氏によると、「フィードバックの中で、パフォーマンスに言及する要望を見かけなくなった」という。またチーフ・セールス&マーケティング・オフィサーのHenri Richard氏は、「以前のPCはコンピューティング・デバイスだった。だが、今日のPCはエンターテインメント・デバイスだ。販売店で誰もCPUの動作周波数をたずねたりはしない。それよりもディスプレイに映るイメージの品質を気にする」と指摘した。
今日の顧客やユーザーに対しては、利用体験に結びついた製品展開が重要になる。そのポイントとしてMeyer氏は「消費電力効率に優れた処理」「豊かなビジュアル体験」「手頃なインターネットアクセス」の3つを挙げた。実現には、プラットフォーム・レベルのソリューションが求められる。そのような中で、グラフィックス大手のATI Technologiesを統合したAMDは、他にはないユニークなイノベーションを提供できる存在であるとアピールした。